氷河沖合で海底の泥採取 南極観測、海洋環境を分析

海底堆積物を採取する機器「グラビティーコアラー」=5日、南極・トッテン氷河沖(南極観測隊同行記者撮影)

 【トッテン氷河沖=南極観測隊同行記者】第65次南極観測隊(橋田元隊長)は、気候変動により融解が懸念されるトッテン氷河の沖合で、海底堆積物の採取を行った。海底の泥に含まれる微小な化石を分析することで過去の海洋環境や氷床変動を明らかにし、融解メカニズムの解明につなげる。

 海底の泥は深い場所にあるものほど古く、バクテリアや花粉などの化石が含まれている。例えば、海底の表面などに生息する有孔虫やカニの仲間である貝形虫の化石を調べると、年代や当時の海水温を推定することができるという。

 調査には「グラビティーコアラー」と呼ばれる筒状の機器が使用された。

© 一般社団法人共同通信社