長尾謙杜、ラウール、末澤誠也、中村嶺亜……メンバープロデュース衣装はなぜ魅力的?

2024年2月14日になにわ男子のアリーナツアー『なにわ男子 LIVE TOUR 2023 'POPMALL'』のDVD&ブルーレイが発売された。約46万5千人を動員したとされるこのツアーでは、架空のモールをイメージした会場の世界観と舞台演出、そして華やかな衣装にも注目が集まった。

同ツアーで衣装を担当したのは、グループ最年少メンバーである長尾謙杜だ。長尾は、なにわ男子のファッションリーダーとしてデビュー前の衣装からプロデュースを担当しており、そのこだわりはファンも知るところ。他にも、Snow ManのラウールやAぇ! groupの末澤誠也など、長尾と同様にグループのメンバー自身が衣装を担当するケースがある。そこで今回は、近年の若手グループで実際に着用された衣装を振り返りながら、メンバープロデュース衣装の魅力について考えたい。

■なにわ男子・長尾謙杜 ツアーの世界観が息づくカラフルな衣装

昨年7月から全9都市44公演を完走した『なにわ男子 LIVE TOUR 2023 'POPMALL'』。前年の『なにわ男子 Debut Tour 2022 1st Love』とはまた一味違ったツアーコンセプトで、多くのファンが魅了された。

オープニング曲の「Poppin' Hoppin' Lovin'」歌唱時の鮮やかなグリーンのセットアップをはじめ、メンバーそれぞれの個性が光るカラフルな衣装や、暗いステージでの激しいダンスが際立つ真っ白な衣装、そして「Make Up Day」や「Missing」に合わせて大人っぽいシックな色合いでまとめた黒×赤のパンツスタイルなど、長尾プロデュースによるバラエティに富んだ装いがツアーを彩った。

■Snow Man・ラウール グループの武器が際立つシルエット

2023年には「YOHJI YAMAMOTO POUR HOMME 2023 Spring Summer」でパリ・コレクションデビューを飾ったラウール。その高いファッションセンスを、グループでも大いに発揮している。2022年開催の『Snow Man LIVE TOUR 2022 Labo.』から、自ら手を挙げて衣装の総合プロデュースを担当しているのだ。

Snow Manの武器といえば、他の追随を許さない切れ味のよいダンス。グループ初のドームツアー『Snow Man 1st DOME tour 2023 i DO ME』では、ダイナミックな動きが映え、身体のラインが出やすいストライプ柄のスーツや、淡く軽やかな色合いで統一感を出したセットアップ衣装など、彼らの持ち味が活かされる衣装に身を包んだ。

■Aぇ! group・末澤誠也 多彩な特徴に合わせて使い分ける豊富な衣装

YouTubeチャンネル『ジュニアCHANNEL』の「Aぇ! group【理想の彼女のデート服】オシャレコーデに涼しげな胸キュンセリフを」企画ではコーディネートバトルで一位を獲得したAぇ! groupの末澤誠也。デビュー前のジュニアグループでありながら、すでに多くの衣装をデザインしてきた。

Aぇ! groupの強みは、歌とダンスだけにとどまらない。メンバーそれぞれが楽器を担当してバンド曲を演奏したり、ライブ中にはコントを披露したりと、多彩な演出が際立つ。そんな彼らの幅広いパフォーマンスを表現するかのように、キラキラとスパンコールが輝くステージ衣装やロックテイストなバンド衣装、メンバーカラーをベースに毛皮をあしらった衣装まで、ステージでさまざまなスタイルを楽しむことができる。

■7 MEN 侍・中村嶺亜 グループらしさのにじむ力強い舞台衣装

Aぇ! group同様、2018年の結成以降バンドなどさまざまな魅せ方でライブを盛り上げている7 MEN 侍。グループのセンターであり、ギターボーカルを務める中村嶺亜も、1月27日までほかのジュニアユニットと共に出演していた舞台『Act ONE』で衣装デザインに挑戦した。

当日お披露目となったのは、黒を基調としたストリートファッションと金×黒のまばゆいステージ衣装。公演では激しいダンスチューンやバンド演奏、テーマ曲である「Act ONE」の弾き語りも披露。共演した他グループとは異なる方向性のデザインで攻め、パフォーマンスとマッチした彼ららしさをスタイリングでも表現した。

■メンバープロデュースで、グループの揺るぎない「らしさ」が宿る

グッズや振り付け、映像やステージ演出など、衣装に限らずさまざまな分野でメンバー自身が企画・制作に携わる姿が若手グループにまで広がってきている。自分たちらしいステージを作り上げるには、どうすればいいのか。メンバー一人ひとりの個性を活かし、全員が輝く舞台のために必要なものは何なのか。パフォーマンス以外の部分でも、舞台全体から細部まで考えを巡らせ悩み抜き、創り上げていくことで、“グループらしさ”が宿るようになるように思える。そしてステージづくりに真剣に向き合うことは個々の成長にもつながり、ステージへの愛着や向上意識、そしてメンバー間の絆をさらに強めるきっかけにもなる。

日々多くのファンの熱狂的な視線を浴びるステージ衣装。その装いの裏側にあるドラマと彼らの成長劇は見る者を感動させ、ますます魅了していくに違いない。メンバーによるセルフプロデュースで、グループのどんな表情が垣間見えるようになるのか。今後の公演でどんな姿を見せてくれるのか、期待に胸膨らみ今から待ちきれない。

(文=神田佳恵)

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