アマゾン元配達員3人、残業代支払い求め下請け会社を提訴へ  働き方の実態は「労基法上の労働者」 鹿児島

 通販大手アマゾンジャパンの3次下請け会社などと業務委託契約を結び、配送を扱った鹿児島市の個人事業主(フリーランス)の元配達員3人が、事実上の業務管理者とみる東京の2次下請け会社に対し、労働基準法上の労働者と認めた上で残業代を支払うことを求め、鹿児島地裁に提訴することが6日分かった。アマゾンの配達を巡る残業代請求訴訟は全国初とみられる。

 個人事業主は企業などと業務委託契約を結び、仕事を請け負う。実態は雇用だとして、労働者性を主張するケースが各地で相次いでいる。

 代理人弁護士によると、原告は20~50代の男性。それぞれ3次や4次の下請け会社と昨年7月末まで、11カ月~2年契約した。勤務時間の裁量はなく、1日に12時間以上、週6、7日配達し、50~60日連続で働くこともあった。

 配達ルートはアマゾン側が提供するアプリで指示され、出勤日は朝礼があった。こうした点から、東京の2次下請け会社の指揮命令下に置かれた労働者であるとして、残業代の支払いを求める。

 原告側によると、昨年11月に文書で支払いを求めたが、同社は「雇用契約や事実上の指揮命令関係は一切ない」と回答。このため請求額を詰めた上で、3月中にも提訴する。ほかに県内の約25人が追加提訴する見込み。

 アマゾンの配達員を巡っては、横須賀労働基準監督署(神奈川県)が昨年9月、個人事業主の配達員を「労働者」と認め、労災認定した。

© 株式会社南日本新聞社