新年度予算案を否決/西目屋村議会

 青森県西目屋村の村議会(定数6、欠員1)は6日、定例会本会議を開き、2024年度一般会計当初予算案を否決した。佐藤ふじ子議長を除く議員4人による採決では、賛成と反対が2対2の同数となり、議長裁決で決した。予算案に盛り込まれた旧役場庁舎の解体を巡り「時期尚早」と一部から疑義の声が上がった。

 村は定例会最終日の7日に解体経費を削った修正案を追加提案する方針。反対した議員は修正案には賛成する意向を示している。

 村が当初提案した24年度一般会計予算案は総額24億1300万円。うち旧庁舎の解体には一般財源から1億900万円、基金から6300万円を振り向けることにしていた。

 取材に対し、反対した齊藤晃議員は「税収の乏しい現状を見れば、一般財源の負担を減らす必要がある」と積立基金が十分な額になってから解体に取りかかることを主張。賛成した熊谷壽一議員は「取り壊しは早い方が良い」と語った。

 佐藤議長は最終的に否決の裁決をした理由について「村民の負託を受けた議員が半分に割れるなら、反対するべきと思った」と述べた。

 村は、旧庁舎を含む遊休施設の解体費用を21年度から毎年3500万円ずつ基金に積み立ててきた。旧庁舎は現庁舎の道路を挟んだ向かい側にある築53年の建物で、解体は今年6月に始める予定だった。

 桑田豊昭村長は取材に対し「これまでの議会で、議員から旧庁舎を負の遺産にしないように早急に解体するべきだ-との意見もあり、異論は出ていなかった。合意形成していたはず」としながらも「議会の意見は尊重し、反対は受け止める。村民の生活もあるので修正案を出すことにした」と語った。

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