新酒甲乙付け難く 県鑑評会 磐乃井酒造など金賞

新酒鑑評会で出品酒の香味を調べる審査員

 県新酒鑑評会は6日、盛岡市の県工業技術センターで開かれた。2023年度に県内18カ所の酒蔵で製造された吟醸酒、純米酒合わせて78点が出品され、出来栄えを審査した結果、磐乃井酒造(一関市)や岩手銘醸(奥州市)など八つの酒蔵の出品酒が金賞に輝いた。

 県産清酒の製造技術の向上などを目的に県酒造組合と同センターが主催して毎年開かれている。23年度に製造された吟醸酒や純米酒が対象の今回の鑑評会には、県内17の企業・団体が参加。第1部には18場から59点、県酒造好適米使用の第2部には吟醸酒が3場から3点、純米酒は11場から16点が出品された。

 審査は仙台国税局や同センターなど関係機関から参加した13人が行い、長テーブルに並んだ新酒をコップへ注いでから自分の机に運んで口に含み、味と香りを確かめて「素晴らしい」「良好」「普通」「難点」の4段階で評価した。この結果、第1部は金賞に8場、銀賞には1場の出品酒が選ばれた。

 審査に当たった同センターの平野高広醸造技術部長は「23年は全国的に米の登熟期に気温が高かったため酒米が溶けにくい傾向で、高い製造技術が求められた年ながら、全体的に品質の高いお酒が多かった」と評価。第1部については「出品酒全体の約7割が純米酒で、果実を思わせる香りと滑らかな味わいのお酒が多かった。全体的に品質が高く上位酒の点数は拮抗(きっこう)していた」と話した。

 各部門の上位入賞は27日に発表される。

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