【シンガポール】DBSトップ報酬、23年は27%減の12.5億円[金融]

シンガポール金融最大手DBSグループ・ホールディングスのピユシュ・グプタ最高経営責任者(CEO)が2023年に受け取った報酬は、前年比27%減の1,123万Sドル(約12億5,400万円)だった。23年12月期連結決算は過去最高益を記録するなど好調だったが、傘下のDBS銀行でシステム障害が発生した責任を取る形での大幅減額となった。

6日に公表した年次報告書によると、23年のCEO報酬のうち基本報酬は前年から横ばいの150万Sドル。株式などの繰り延べ報酬は31%減の555万1,000Sドル、賞与は29%減の410万9,000Sドルとなった。その他は9%減の7万3,000Sドルだった。

DBSグループは23年12月期決算で、売上高に相当する経常収益が200億Sドルを初めて突破。株主資本利益率(ROE)も過去最高水準となる18%を記録するなど好業績だった。

一方、DBS銀行では23年3月以降システム障害が複数回発生し、同年10月にはモバイル決済が一時できなくなるなどの問題が起きた。シンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)から11月に、不急のITシステムの変更などを6カ月間禁止する処分が下されていた。

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