ANA総研、北海道・北宗谷地区を観光診断 交通・労働力・夜間でのサービス提供など課題抽出

ANA総合研究所(ANA総研)は3月5日、MMGY NextFactor(カナダ・バンクーバー、以下NF)と共に「きた・北海道DMO(候補法人)」(北海道北宗谷地区)に対して観光地域診断調査を行ったことを発表した。分析結果からは、交通アクセスの課題に加え、労働力の確保と教育、通年を通じたアトラクションやアクティビティの提供、昼間のみならず夜間における食事や観光の機会提供などの課題を抽出した。調査診断にとどめず、引き続き課題の解決に向けて今後とも継続してサポートを行い、持続可能な観光地域づくりの支援を行うとともに、地域と日本や世界各地との関係人口の拡大を図る。

全国各地では今、観光地域づくりの高度化・自立化が求められて、地域においては主たる産業と観光業との協力関係、地域住民の観光に対する受容性の問題、働き手の確保や人材の教育、総合的なマーケティングや観光資源の磨き上げなど、さまざまな課題に直面している。

同社は、観光地域づくり先進国である米国のDMO統括団体であるDestinations International(本部米国・ワシントンDC、以下DI)の会員企業として、米国における先進事例や課題解決の手法などを吸収してきた。米国における観光地域経営においても最大の課題は地域の合意形成であり、同社はこの点に着目し、DIとNFが共同で開発した地域診断ツールDestination NEXT(以下DNEXT)を活用し、きた・北海道DMOに対して診断事業を実施した。

同社は2023年11月以来、NFと共同で当該地域の行政や事業者、地域の教育機関、住民に対してワークショップやオンラインサーベイを行いながら地域の課題を可視化。1月30日には稚内市(メイン会場)、礼文町、利尻町、利尻礼文町(サテライト会場)、その他オンライン参加した地域住民やカナダNFとも中継を行い、その分析結果と対処すべき課題を明らかにした。また、同様の課題に直面し解決を図った海外地域の事例などの紹介も行いながら、今後のアクションプランへつなげることとなった。

© 株式会社ツーリンクス