『となりのナースエイド』唯を殺した犯人が明らかに 古田新太のユニークでシリアスな芝居

ドラマ『となりのナースエイド』(日本テレビ系)が3月13日に最終回を迎える。セミファイナルとなる第9話では、本作の最大の謎だった澪(川栄李奈)の姉・唯(成海璃子)を殺した犯人がついに明らかになった。

公式にTVerで「考察ブロック総まとめ動画」が公開されるなど、盛り上がりを見せていた黒幕の正体。それは大方の視聴者の予想通り、まだ「裏」がベールに包まれていた火神(古田新太)だった。

ここで新たに登場するのが、澪の父・晃(和田聰宏)。火神が開発した火神細胞は、生前に晃が研究していた細胞の開発方法。つまり、火神は亡くなった晃の研究をさも自分が開発したかのように世間に発表していたのだ。そのことに気づいていたのが、新聞記者の唯だった。シムネスに侵されながらも父が素晴らしい医者であったことを外科医で自分の手術を担当してくれた澪に伝えるため、唯は火神を問い詰めるものの、口止めのためにビルから突き落とされ亡くなってしまった。

澪はその真相を火神本人の口から聞くことになるが、火神もまたシムネスに身体を蝕まれていた。火神が最優先に考えているのはシムネスを完治させることができる、オームスの完成。オームスオペレーターになる逸材である澪は火神にとって手放したくない人物だが、澪にとっては姉を殺した張本人。火神を許せずに拒絶するのは当然だ。

大河(高杉真宙)による火神の開胸手術が始まるが、新たな腫瘍が驚異的な速さで転移し、火神はそのまま帰らぬ人となってしまう。古田新太は今期『不適切にもほどがある!』(TBS系)にも出演中。渚(仲里依紗)の父・ゆずるを演じているが、鼻に挿された酸素吸入用のチューブが印象的な役柄でもある。加えて、『お別れホスピタル』(NHK総合)の第1話で姿を見せた本庄昇もまた患者役で、なんの因果か3本とも病に侵される人物となっている。三軒茶屋を飲み歩くことで有名な古田本人には、くれぐれも健康に気をつけて、この先もユニークで、時にシリアスな芝居を見せてほしい。

最終回でポイントになってくるのは、火神亡き後にオームス開発はどうなるのか。親の許可なく小夜子(永瀬ゆずな)の手術を結構したことで母の早苗(小野ゆり子)から「人殺し」と呼ばれてしまっている大河は、猿田(小手伸也)にその動画をSNSに拡散され病院内で大事に、そのことがオームス開発にも影響が及ぶという展開になるだろう。澪は外科医に戻るのか、それとも今のナースエイドを続けるのか。そして、すっかりお似合いのカップル……ではなく、仲良しコンビとなっている澪と大河のその後も気になるところ。次回のあらすじには「最後に“裏の裏”が待ち受ける」とあり、最終回もまたラストにはどんでん返しが用意されていると見て間違いなさそうだ。
(文=渡辺彰浩)

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