大和高田市の大衆劇場「弁天座」復活 奈良県内外から観客、地域に再び活気

1月から復活し、町に活気を呼び戻している大衆演劇場「羅い舞座(らいぶざ)グループ弁天座」=大和高田市北本町

 昨年9月、経営難で閉館した奈良県大和高田市北本町の大衆演劇場「弁天座」が1月、御所市の大衆演劇場「羅い舞座(らいぶざ)」グループの劇場として再スタートを切った。地元のなじみ客のほか、贔屓(ひいき)の劇団員を目当てに県外の客も訪れ、再び活気を見せている。

 弁天座は、日活専門の映画館「高田キネマ」が前身。2005年に大衆演劇場として新装開店しファンに親しまれたが、コロナ禍で高齢者中心の客足が減少。経営不振に陥り閉館し、施設の新たな担い手を求めていた。

 「大衆演劇のお客さんは、半分が劇場のファンで半分が劇団のファン。一つの劇場がなくなるとお客さんが離れて業界がさびれる」と運営に名乗りを上げたのが、御所市のイベント会社「ライブジャパン」の河合忠則社長(71)だった。同社は御所市元町の御所本店をはじめ、堺市や大阪市で大衆演劇場を4店舗経営。新たに弁天座の劇場を借り、桟敷(さじき)席やどん帳など既存の内装や外観を生かして経営を始めた。

 劇場名は、ファンに愛された同館の旧名称を残し、「羅い舞座グループ弁天座」と改称。再開に当たり、エアコン設備や照明を新調した。

 河合社長は、「大衆演劇場は高齢のお客さんが楽しく遊べる所。毎日通う人も多く、認知症防止で地域活性化につながる。グループの強みを生かし、人気の劇団の質の高い舞台を披露する。折り込みチラシの割引券を使って安く楽しんでほしい」と話している。

 月替わりで劇団が公演し、昼(正午開演)と夜(午後5時30分開演)の2部制で芝居やショーがある。入場料は大人2000円、子ども1400円など。

 問い合わせは「羅い舞座グループ弁天座」、電話0745(22)5689。

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