【レポート】関東運輸局、伝説や逸話を英語と日本語で披露 東京・千住宿でインバウンド向け英語講談会を開催

関東運輸局は2月28、29日、江戸街道プロジェクト関連事業「歴史文化資源を活用した地域誘客促進企画の調査業務」として、伝説や逸話を紹介するインバウンド向け英語講談会「The seven wonders of senju~あなたの知らない『千住七不思議』の世界~」を東京都足立区の慈眼寺本堂で開いた。1日2公演、各回外国人観光客が約15人参加。旧日光街道の宿場町として栄えた千住宿にある徳川家ゆかりの寺院で、英語と日本語を交えた本格的な講談を薩摩琵琶の調べに乗せて披露した。

英語講談会の様子

江戸街道プロジェクトは、広域関東(1都10県)の魅力を「江戸街道」という統一テーマでブランディングし、街道観光の推進を通して地域を活性化する取り組みで、関東運輸局が2022年度から主導。関東運輸局では、街道沿いで古くから語り継がれてきた伝説や逸話等の歴史文化資源が、旅行者にとって非常に魅力的なコンテンツであり、特に日本の歴史や文化に興味のある欧米豪を中心としたインバウンドの誘客促進に有効に働くものと考え、英語講談会を開催している。前回は、2022年8月に東京都墨田区両国の回向院で開催している。

会場となった慈眼寺(東京都足立区)

今回は、インバウンド誘客効果を検証することを目的に、足立区で語り継がれている千住七不思議を題材に英語講談会を開催。講談師に神田ようかん氏、琵琶奏者に川嶋信子氏を招き、①琵琶弾き語り「奥のほそみち」(日本語・川嶋氏)②講談「そば閻魔」(日本語/英語字幕・神田氏)③講談「千住大橋と大亀」(英語・神田氏)―の3演目を披露した。参加者からは「日本語の講談や落語を別会場で見たが、英語の説明があることで理解が深まる」「知人にも紹介したい」といった声が上がった。

このほか、英語講談会の前には、オプショナルツアーとして英語通訳ガイド付き街歩きツアーを無料で開催。参加者は宿場町商店街、ほんちょう商店街などを巡った。

英語講演会を運営した日本旅行ビジネスクリエイトの田中正人社長は、「コンテンツをただ見せるだけでなく、言葉で理解してもらうことで満足度は高まる。また、普段は入れないような場所で企画を実施することは高付加価値につながる。今回の題材は千住七不思議だったが、広域関東には多くの魅力ある伝説や逸話がある。今回の取り組みが横展開できれば」と話した。

地域で和文化体験ができる日本茶カフェ「rojicoya」の榎本龍晃氏は、「千住においても外国人観光客は増えており、消費につながっている。新たな体験を求めている外国人は多く、地域全体で誘客につながる企画を立案・実施していく必要がある」と述べた。

募集チラシ(表面)募集チラシ(裏面)

取材 ツーリズムメディアサービス編集部 長木利通

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