「宮崎からレースを盛り上げたい」自らのチームでJSB1000クラス7年目を迎える児玉勇太/全日本ロード

 2018年から自らのチーム『Team KODAMA』を立ち上げ、全日本ロードレース選手権シリーズJSB1000クラスを戦い続けている児玉勇太。2024年もプレイングマネージャーとして7年目のシーズンを戦う。

 宮崎県川南町出身の児玉は、2005年から全日本ロードST600クラスに参戦し、2008年、2009年とJSB1000クラスを戦った。その後、2011年に一時レース活動を休止したが、鈴鹿8耐を中心に活動。しかし、自分自身で納得できる走りができず悔しい思いをしていた。

「8耐だけ出ていたころは絶対的に走る時間が少ないこともあり、うまく乗ることができなかったんですよ。“このままオレはレーシングライダーとして終わってしまうのか……”と悔しかったですし、これで辞めるのも後味が悪いなと思っていました」

全日本ロード:児玉勇太(Team KODAMA)

 そんな児玉に再び全日本ロードJSB1000クラスを走るチャンスが2015年にまわってくるが、思うような成績を残すことができなかった。2017年シーズンを終えたとき児玉に次のシートはなく再び岐路に立たされていた。

「年齢も年齢だし辞めようか悩んでいたところノジマエンジニアリングの古澤氏を始め、多くの方に“自分でチームをやってみたら”と薦めてくれました。2017年のNGK杯にマシンを借りて出てみたのですが、実際にやってみないと分からないことだらけでした。ただ、そこでレースに対する意識が変わりましたね」

 かくしてTeam KODAMAを結成。マシンはヤマハYZF-R1にブリヂストンのパッケージ。ガレージは自宅近くに借り、基本的な整備は児玉自身が行っている。2019年からは鈴鹿8耐にも参戦し、2022年には9位に入りシングルフィニッシュを果たしている。常にプライベータートップを争う戦い振りを見せており、宮崎県で唯一、全日本ロードJSB1000クラスにフル参戦しているチームとして確固たる地位を固めている。

2023全日本ロード:中須賀克行仕様のヤマハYZF-R1をライドした児玉勇太

 児玉は、この2月に38歳になった。昨年11月には、ヤマハから中須賀克行のYZF-R1に試乗する機会を与えられた。児玉以外に呼ばれたのは若手ライダーばかりだったが、Team KODAMAとして活動してきたことが認められたからこそ声がかかったと言えるだろう。

「中須賀選手のファクトリーマシンを試乗させていただいたのは、とても貴重な体験になりました。スポーツランドSUGOを数周でしたが夢のような時間でした。自分のR1とは全く違うものだったので、すごく勉強になりました」

 レースを少しでも盛り上げたい。そんな思いから地元のイベントや学校での講演など地道な活動を続けている。3月24日(日)に宮崎県串間市の道の駅くしまで開催されるバイクFESTA in 道の駅くしまに出演。マシン展示、サイン会、トークショーを行う予定だ。

「宮崎唯一の全日本JSB1000参戦チームとして、宮崎の魅力を全国にアピールしていきたいですし、地元の方にもレースの魅力を少しでも伝えられるような活動を微力ですが行っています。オートポリスは、意外と宮崎からだと距離があるので、応援したいと思ってもらえるような走りをしていきたいですね」

 児玉のようなプライベーターが上位を狙うのは、本当に大変なこと。ただ、あきらめずに表彰台を狙うと語る。何は起きるか分からないのがレース。チャンスが回ってきたときに、手に入れられるポジションを走っていたいところだろう。

全日本ロード:ヤマハYZF-R1を駆る児玉勇太(Team KODAMA)
全日本ロード:児玉勇太(Team KODAMA)

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