決勝ではトラブルも、好感触で開幕戦を終えたラッセル。今年は「間違いなく優れたクルマを手にした」

 メルセデスF1のドライバーであるジョージ・ラッセルは、自分を含めたすべてのドライバーがマックス・フェルスタッペンとレッドブルを破る可能性について、大胆ながらも落胆するような予測をしたことで、過去にも話題を呼んだ。

 昨年彼は、バーレーンGPの後で「彼ら(フェルスタッペンとレッドブル)は今シーズンのすべてのレースで優勝するかもしれない」と堂々と主張したが、フェラーリのカルロス・サインツがシンガポールGPで勝利を飾り、ラッセルの予想を裏切った。そして今年、予選前にラッセルは「マックス(・フェルスタッペン)は誰よりも1周あたり0.5秒速いだろう」と予測していたが、実際の差はその半分に満たなかった。

 レースが終わるまでにラッセルは、メルセデスW15が発揮したペースに自信を持つことができただろう。エンジンの温度管理の問題でペースを大幅に落とさざるを得なくなる前は、特にそう感じていたようだ。

「今年はルイス(・ハミルトン)と僕にとって、間違いなく優れたクルマを手に入れており、それをもとにシーズンを進めることができると信じている。今もまったく落胆はしていないよ」と、5位でレースを終えた後に語った。

2024年F1第1戦バーレーンGP (左から)予選でポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)

「近年、レッドブルはつねにここで強かったし、フェラーリもそうだった。僕らにとってここは“ボギー”が限界のトラックだったと思う」

 彼は開幕して間もない2024年シーズンにおいても、チャンピオンシップをかけた戦いでフェルスタッペンを止めることはできないと考えているが、特定のコースでは負けることもあるのではないかと期待している。

「こう言うのは時期尚早だと思うけれど、やはり今年も間違いなくマックスが有力だ。チャンピオンシップで彼と争うことになるドライバーはいないと思う。でも、時に誰かが彼に立ち向かって勝利を目指す日が来ることを願うよ」

 開幕戦において予選で3番手となったラッセルは、決勝3周目にはフェラーリのシャルル・ルクレールをオーバーテイクし、フェルスタッペンを追う準備ができたように見えた。しかしその後、パワーユニットの出力ダウンを余儀なくされた。それでも彼は序盤の好ペースから、より強力なシーズンを過ごすことができるであろう期待が高まったことは間違いない。

2024年F1第1戦バーレーンGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)と2番手争いを繰り広げるジョージ・ラッセル(メルセデス)

「最初の2、3周は本当によかったよ。ただ、すぐにエンジンパワー下げなければならなかったし、余計なリフト&コーストを強いられたためにそれがタイヤに影響したはずだから、本当のペースがどうだったのかを話すのはとても難しい。表彰台には手が届かなかったかもしれないけれど、それでももっとうまくできたはずだ」

 多くの人々が、なぜ両方のメルセデスドライバーにパワーユニットの問題が起きたのか疑問を呈するなか、ラッセルは「機械的な問題はなにもなかったが、空力セッティングの選択が楽観的だったことでダメージが生じた」と説明し、状況を落ち着かせた。

「単純にボディワークがキツすぎたようだ。ただ、なぜそのような過ちを犯したのかは、確実に理解する必要がある。それはおそらくほんの小さな変更だっただろうし、ラップタイムにほとんど影響はなかったはずだ」

「予選でタイムを稼ぐために、少しアグレッシブになりすぎたかもしれない。予選で百分の数秒を稼ぐための選択が、レースでは1ラップあたり0.5秒以上のロスを生んでしまったからだ。明らかにそれは繰り返すことのできない誤算だよ」

2024年F1第1戦バーレーンGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

投稿 決勝ではトラブルも、好感触で開幕戦を終えたラッセル。今年は「間違いなく優れたクルマを手にした」autosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄