たつの市の『セイバン』が新開発 パイナップルの葉から作った“地球にやさしいランドセル”

植物由来の素材でできたランドセルとは?

機能性ランドセル「天使のはね」で市場シェアトップのセイバン(たつの市龍野町片山)が、植物由来の人工皮革を使った地球にやさしいランドセル「パイナセル」を新発売した。

サステナブル(持続可能性)やアニマルウェルフェア(動物福祉)の意識の高まりにより、本革に代わって非動物由来の「ヴィーガン素材」が昨今のアパレル業界で注目されていることから、植物由来レザーを企画・製造するグリーンテックベンチャー「PEEL Lab」と共同開発した。

【写真】子どもだけでなく、大人も持てるトートバッグ

パイナセルの主原料は東南アジアで栽培されるパイナップルの葉。植物由来レザーの原料には、ほかにバナナやサボテン、リンゴなどもあるが、収穫時点で廃棄するしかなく環境負荷が高い点や、6年間使用できる耐久面を考慮してパイナップルを選んだという。

生地は葉から取り出した繊維と水性の無溶剤ポリウレタンを混ぜ合わせて作り、繊維を除いた後の葉はパウダー状にしてコーティング剤として利用している。出来上がったパイナセルはスウェード調の見た目ながらツヤがあり、すべすべした触感の仕上がりが特徴。ラインアップには、背中に当たる部分と横の大マチを縫い合わせた厚いヘリがある標準型と、ヘリを取り除いた分だけ軽く、内寸も大きくなった軽量型の2種類を揃えた。

グリーン、ベージュ、グレーの3色から選べ、いずれも税込6万4900円。日常使いにも便利な同素材のトートバッグ(6940円)も用意している。公式オンラインストアのほか、本社に併設の工場ショップでも購入できる。同社の開発担当者は「子どもたちにパイナップルレザーという身近で意外なものから作られたランドセルをきっかけに、好奇心を持って想像力豊かに成長してほしい」と話している。

(取材・文=播磨時報社)

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