震災復興に提言、政治・外交の論客 神戸大名誉教授、元防衛大校長 五百旗頭真氏が死去 80歳 西宮出身

五百旗頭真氏

 防衛大学校長や政府の東日本大震災復興構想会議議長を務めた神戸大名誉教授の五百旗頭真(いおきべ・まこと)さんが6日午後4時51分、急性大動脈解離のため神戸市の病院で死去した。80歳。西宮市出身。葬儀・告別式の日程は未定。

 五百旗頭真治郎・神戸大教授の五男に生まれ、六甲学院高から京都大法学部に進んだ。広島大助教授などを経て1981年、神戸大教授に。専門は政治外交史で、公文書や当事者への調査から戦後日本の形成過程を解明した。2004年、小泉純一郎首相(当時)の諮問機関メンバーとして新たな防衛計画大綱の基礎となる提言をし、06~12年には防衛大学校長を務めた。

 阪神・淡路大震災で自宅が全壊し、神戸大の教え子を亡くした経験などから防災・復興に関わる提言も続けた。12年から、ひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長を務めていた。

 東日本大震災復興構想会議では「減災」の理念などを提言した。熊本県立大や兵庫県立大の理事長なども歴任し、11年に文化功労者。19年に神戸新聞平和賞を受賞した。「日米戦争と戦後日本」「大災害の時代」など著書多数。

 ひょうご震災記念21世紀研究機構によると、五百旗頭さんは6日午後、神戸市中央区にある同機構の理事長室で執務中に倒れたという。

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