サプライチェーンは依然改善傾向、インフレ圧力軽減=NY連銀

Michael S. Derby

[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク連邦準備銀行が6日発表した2月のグローバル・サプライチェーン・プレッシャー・インデックス(GSCPI)は0.1に上昇し、2023年1月以来、約1年ぶりにプラス圏に浮上した。

前月はマイナス0.23だった。

ただ依然としてほぼ正常な水準を維持しており、新型コロナウイルスのパンデミック時の21年12月に記録した過去最高の4.35に比べると随分低い。サプライチェーンの改善傾向は変わらず、インフレ圧力軽減の重要な要因となっていることがうかがえる。

発表に先立つ1日にはシカゴ地区連銀のグールズビー総裁がCNBCのインタビューで、最近のGSCPIがパンデミック前の水準に戻ったことに触れ「(物価に及ぼす)影響は一時的なものではなく、持続する可能性がかなりあると思う」と述べ、インフレ圧力を和らげ続けるとの見解を示した。

米連邦準備理事会(FRB)が掲げる物価上昇率の目標は2%。インフレ圧力が急速に弱くなっていることで、年内の利下げ転換の可能性が高まっている。

インフレ沈静化への足取りは不安定な面もあり、利下げ開始時期を巡る問題は複雑だが、GSCPIが比較的落ち着いていることから、FRBはインフレ圧力が確かに低下しているという自信を深める可能性がある。

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