NFTアートとは
NFTアートは、NFT(Non Fungible Token)を活用して所有権や真正性を確立させたデジタルアートのことです。ブロックチェーン技術を用いた非代替性トークンであり、イラストやゲーム、動画などのデジタルアートにおける独自性を証明し、希少性を保証できます。
近年、NFTアートはアーティストやコレクターの間で高い人気を誇り、市場も拡大しています。
NFTアートが注目されている理由
NFTアートが注目を集めている主な理由は、以下のとおりです。
・コピーや改ざんが不可能で唯一性が保証される
これまでデジタルアートは、簡単にコピーや改ざんされてきました。しかし、ブロックチェーン技術を活用したNFTでは、コピーや改ざんができません。
・著作権がクリエイターに帰属する
NFTアートがコレクターに購入された場合でも、著作権はクリエイターに帰属します。
・世界中の人と取引できる
NFTはERC721の規格で発行され、ERC721に準じたマーケットプレイスで手軽に取引が可能です。
・二次流通時、クリエイターに収益の一部が還元される
NFTアートでは、二次流通時にクリエイターに収益の一部が還元される仕組みを導入することもできます。
また、NFTアートは経年劣化がなく希少性や独自性が保証されているため、投資対象としても適しており、多くの人から注目を集めています。
NFTアートを販売して得た利益には税金がかかる
NFTアートを制作して販売する場合、得た利益には税金がかかります。どのような税金がどれくらいかかるのかを理解しておくことで、キャッシュフローを把握しやすくなり、具体的な収支計画を立てることができます。また、確定申告などもスムーズに進められるでしょう。
NFTアートの販売を検討しているクリエイターは、以下で紹介する所得の区分や税率について理解しておくことが重要です。
利益は雑所得に区分される
NFTアートで得た利益は、雑所得に分類されます。雑所得とは、給与所得や利子所得など、他の所得に分類されない所得のことです。
雑所得の金額は、「NFTの売却収入-NFTに係る必要経費」で計算されます。NFTアートの売却収入は、インターネット上の取引市場で流通するトークンで受け取った場合、そのトークンの時価で計算されます。
また、雑所得は、総合課税(他の所得と合算した金額に課税される)の対象で、所得税率は5〜45%です。
なお、NFTアートの取引で生計を立てている場合は、雑所得ではなく事業所得に分類される可能性があります。
所得税の計算例
所得税の計算方法は、「課税所得額×税率-控除」です。所得税率は、図表1のようになります。
【図表1】
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
例えば、NFTアートの販売で利益を得て課税所得額が50万円の場合、所得税は2万5000円(50万円×5%)となります。
また、所得税のほかにも住民税の所得割が10%課税されるため、NFTアートの販売にかかる税金は所得税と住民税(所得割)を合算した7万5000円となります。
※控除や他の所得を考慮していないため、実際の金額と異なる場合があります。
NFTアートの税金についてシミュレーションしておこう
NFTアートの取引で利益を得た場合、雑所得(または事業所得)として分類され、所得税や住民税がかかります。販売後もクリエイターの著作権が守られ、世界中の人と手軽に取引できるため、今後さらに市場が拡大することが期待されています。
NFTアートの取引を検討している場合は、税金のことも考慮し、計画的に取り組むようにしましょう。
出典
国税庁 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係
国税庁 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー