ヘルスケアベンチャーに関する調査を実施(2024年) 国内のヘルスケアベンチャー企業に対する法人アンケート調査結果によれば、ヘルスケアベンチャーの資金調達は悪化傾向に

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のヘルスケアベンチャー企業に対する法人アンケート調査を実施し、同調査結果などを踏まえヘルスケアベンチャーの現状と展望を明らかにした。ここでは一部の調査結果を公表する。

1.調査結果概要

本調査では、2023年11月~12月に、主にヘルスケア・メディカル領域で事業を展開する国内のベンチャー企業51社に対して法人アンケート調査を実施した。回答企業の属性をみると、大学の研究室(教授)やTLO(Technology Licensing Organization)が中心となり設立された「大学系」、およびヘルスケア関連企業などに所属していた個人が独立し設立した場合などの「独立系」が約8割を占めた。また事業領域は、創薬系、医療機器、医療AIなどの医療系から食品・サプリメント、介護まで、幅広い領域で事業を展開する企業という結果であった。

2.注目トピック~資金調達状況は「悪化した」の回答が「改善した」の回答を上回る

5年程度前と比較した場合(設立から5年以内の場合は設立当初と比較した場合)の事業環境の変化について尋ねた。このうち、「資金調達の状況」の項目については(単数回答)、「悪化した」との回答が「改善した」との回答を上回る結果となった(「改善した」は13社、「悪化した」は14社、「変化はないと感じる」は15社、わからない、無回答を除く)。約2年前に実施した同様のアンケート調査※では、有効回答社数や主要事業分野は異なるものの、「改善した」との回答が30社、「悪化した」との回答は7社であったことを鑑みると、ヘルスケア・メディカル領域で事業展開するベンチャー企業の資金調達状況は、近年悪化傾向にあることが示唆される。

※2022年調査:調査時期;2021年12月~2022年1月、調査(集計)対象;国内ベンチャー企業61社、調査方法;郵送アンケート調査

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