茨城空港の国内線客数が過去最多 23年度、65万人見込む

茨城空港(茨城県小美玉市)の2023年度の国内線旅客数は過去最多の65万人規模となる見通しとなった。県が6日、明らかにした。新型コロナウイルスの5類移行による規制緩和に伴い、国内旅行など人の移動が活発化した。一方、国際線を含めた全旅客数は中国便の運休などが影響し、最多だった2019年度の77万6000人には届かない見込み。

県議会で高崎進氏(公明)の代表質問に対し、大井川和彦知事が答えた。

旅客数は、国土交通省東京航空局が公表している速報値。茨城空港の国内線は23年4月から今年1月までの10カ月間で58万6645人となり、19年度の同期を2万5000人上回った。

19年度の国内線旅客数は63万5000人で、うち2、3月は計7万4000人だった。県は、今年に入っても比較的堅調に旅客数を伸ばし、19年度の両月の旅客規模を足すと、65万人を超えることなどから過去最多を見込む。

月別に見ると、10カ月間のうち7カ月で19年度を上回った。特にコロナ禍の規制が緩和された前後の4~6月が12.7~14.1%増と目立ち、秋の観光シーズンの10~11月も旅客数を伸ばした。

県空港対策課は「観光やビジネス、帰省などの移動手段として幅広く利用されている」として、引き続き就航先の神戸、札幌、福岡、那覇で利用促進のプロモーションや、旅行会社を対象としたファムトリップ(視察旅行)を展開し、利用を加速させる。

従来1時間当たり1便としてきた茨城空港での民間機の着陸ルールの弾力運航が昨年10月に決まったことを受け、定期便やチャーター便を誘致し、旅客数拡大を目指す。

一方、国際線を含めた全旅客数は70万人を超える程度の見込み。昨年8月に再開した中国の上海便が10月に運航を休止したほか、10月に運航した連続チャーター便の福州便もわずか2往復で運休した。県は、昨年8月に始まった東京電力福島第1原発事故の処理水海洋放出に対する中国政府の強硬姿勢が影響したとみている。

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