「北陸応援割」3月8日に予約スタート…首都圏から福井への旅行ツアー続々 地震自粛ムード脱却へ期待

旅行会社が企画するツアーで旅先の一つとなる福井県立恐竜博物館=2023年7月、福井県勝山市

 3月16日の北陸新幹線福井県内開業に合わせ、旅行各社は首都圏から福井へ行くツアーを売り出している。恐竜や景勝地、グルメ、体験など人気の観光素材を詰め込んだ企画だ。一方、能登半島地震による自粛ムードが影響し、旅行会社によっては、予約の出足は伸び悩んでいる。大々的にPRしにくい状況もあり、各社は8日に予約が始まる国の観光支援「北陸応援割」に期待を寄せている。

 阪急交通社(本社大阪市)は、開業後に県内を巡るツアーや福井、京都、石川などを周遊するツアーなど10コースを新設し、昨年12月から予約を受け付けている。2泊3日で嶺北と嶺南を巡る4月からの県内周遊ツアーは福井県、JR西日本と共同で企画。気比神宮(敦賀市)や県立恐竜博物館(勝山市)など人気観光地を回るほか、福井鉄道福武線開業100周年記念の貸し切り乗車や大野市での星空観察といった体験も盛り込んだ。

 同社担当者は「能登半島地震が心理的に影響しているのか、期待より予約の入り方が弱い。年明けから大々的に告知していく予定だったが、震災で出遅れた部分もある。北陸応援割が始まれば動きは活発になるだろう」と見通す。

 福井、石川、富山、新潟県の旅行・宿泊料金の50%を割り引く北陸応援割は開業と同時の16日から一斉に始まる予定だ。

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 「首都圏からは福井も北陸の被災地として見られている。北陸応援割を契機に送客に、さらに力を入れていきたい」と話すのは日本旅行(本社東京)の担当者。同社によると、北陸3県エリアの個人旅行の4~6月の予約状況は、2月末時点で前年の8割にとどまる。「ただ、北陸新幹線延伸という明るい要素がある。今後もメディアへの露出が増え、前年の数字は超えてくるだろう」としている。

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 一方、主な顧客がシニア層のクラブツーリズム(本社東京)では、北陸新幹線で福井入りし、東尋坊(坂井市)や大本山永平寺(永平寺町)などを周遊する添乗員付きのツアーなどを企画。移動手段が飛行機の場合も含め、福井への旅行の4月の予約状況は、2月中旬時点で売り上げベースで前年比2倍以上になっているという。同社担当者は「乗り換えなしで福井に行けるようになり、注目度は確実に高まっている。今後も福井関連の旅行商品を増やしていきたい」と期待する。

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