半導体装置の売り上げ、世界では減少も中国では大幅増―中国メディア

6日、中国メディア第一財経は、世界の半導体や半導体設備の需要低迷が続く中で、中国の半導体設備販売額が大きく増加したことが明らかになったと報じた。

2024年3月6日、中国メディア第一財経は、世界の半導体や半導体設備の需要低迷が続く中で、中国の半導体設備販売額が大きく増加したことが明らかになったと報じた。

記事は、半導体需要の低迷などの影響を受け、昨年の世界の半導体設備販売額が前年比1.9%減の1056億ドル(約15兆7000億円)となった一方で、中国本土の半導体設備販売額は逆に同28.3%増となったことを紹介。この状況は世界の半導体需要の回復を予見するものであり、国際半導体団体SEMIによると24年の半導体販売額は同10%以上の増加となり、30年には1兆ドル(約149兆円)を超える見通しだと伝えた。

そして、SEMIグローバル副総裁、中国区総裁の居竜(ジュー・ロン)氏が5日、「あらゆるシーンに半導体が存在する時代において、世界の半導体産業の成長は必然と言え、今後も年平均6〜7%の複合成長を維持するだろう。中国本土の成長は、成熟した技術への強い需要と産業発展の活力と強じんさを表している」と述べたことを紹介している。

また、SEMIのデータとして、世界の半導体設備販売額は生産能力の拡大や新工場建設、先進技術やソリューションに対するフロントエンド・バックエンドの旺盛な需要などによって25年に過去最高の1240億ドル(約18兆5000億円)に達する見込みであること、今年の世界のシリコンウエハー月産能力が前年比6.4%増加し、200ミリ換算で3000万枚の大台を初めて突破する可能性があることを伝えた。

記事は、居氏が「今後5〜10年で、AI関連半導体の年間成長率は約30%に達する見込みで、30年には半導体販売額の70%がAI関連向けになるだろう。AIのほかにも、新エネルギー自動車やIoT、異種チップ集積や先端パッケージングの分野にもビジネスチャンスがある」と展望する一方で、地政学に基づくサプライチェーンの再構築や省エネルギー、二酸化炭素削減と持続可能な発展、人材不足が半導体業界にとって長期的に取り組むべき課題になるとの考えを示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)

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