多文化共生社会に生きる<わたし>と世界をつなげるプロジェクト 『ICHIHARA×ART×CONNECTIONS 』3月23日より

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千葉県市原市の高滝湖に面した市原湖畔美術館で『ICHIHARA×ART×CONNECTIONS-交差する世界とわたし』が3月23日(土)〜6月23日(日)に開催される。

人口の50人にひとりが海外にルーツを持つという市原市。市原市で暮らす外国人のルーツにつながるベトナムからディン・Q .レ、フィリピンからリーロイ・ニュー、中国からリュウ・イ、韓国からチョ・ウンピルの4人が参加。多様な民族的バックグラウンドを持つ人々へのインタビュー、ワークショップやリサーチを通して、ともに生きる社会を目指して行われたプロジェクトを紹介する。

現在、国際舞台で活躍するディン・Q .レは、ベトナム戦争時にボートピープルとして家族でアメリカに移住した経験を持つ。市原市在住のベトナム人にインタビューする中で、故郷の家族や人と人とのつながりへの思いを知った彼は、ベトナムで集めた古着と市原で集めた古着を日本人とベトナム人、さまざまなルーツを持つ外国人とで協働して巨大なキルトとラグを制作。それらをインスタレーションする。

リーロイ・ニューは、市原市内でペットボトルを使ったワークショップを実施。廃棄物である何1000本ものペットボトルと竹でできた巨樹バレテを軸に、フリピンの民話や神話的世界をモチーフとしたSF的なインスタレーションを展開する。廃棄物を転用して着用できる「ウェアラブル・アート」に変えることもできる彼が、環境問題について問いかける。

また、リュウ・イは、市原市に住む中国人にライフストーリーを聞き取り、異国の地で自らの固有性を保ちながらも居場所を求める中国人の魂の旅を、中国古来の水墨画の技法を生かしたアニメーションに仕立てた。一方、チョ・ウンピルは、韓国で特別な色として愛されてきた「青」をテーマに、高滝湖からインスピレーションを得て、美術館の内外に青の世界を創り出す。

今や在留外国人との共生は、どこの街にとっても身近で大切なテーマだ。なお、この展覧会は「百年後芸術祭―内房総アートフェス」の一環として開催される。市原市内では、過去3回の「いちはらアート×ミックス」の成果を継承した「アート×ミックス2024」も行われるので、併せて訪れたい。

<開催概要>
『CHIHARA×ART×CONNECTIONSー交差する世界とわたし』

会期:2024年3月23日(土)~2024年6月23日(日)
会場:市原湖畔美術館
時間:10:00〜17:00、土曜・祝前日は9:30〜19:00、日祝は9:30〜18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:火曜
料金:一般1,000円、大高・65 歳以上800円
公式サイト:
https://lsm-ichihara.jp/

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