飛騨高山の文化「絵馬市(えまいち)」

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夏の風物詩「絵馬市」

和紙に描かれた紙絵馬は牛馬の安全や稼ぎを祈願したものでした。現在では家内安全や商売繁盛などを願う縁起物として親しまれています。飛騨高山では夏の間、複数の場所で絵馬市が開かれます。代表的な2か所をご紹介します。

松倉絵馬市

由来

昔、農家では牛や馬の安全や、まゆがたくさんとれるように祈願して紙絵馬を高山の南西にある松倉山の松倉観音に奉納したり、直接、馬や牛をつれて安全を祈願しました。その紙絵馬を売るのが絵馬市です。「1千万両、2千万両」などといって「松倉相場(注参照)」で絵馬を売り買いします。

奉納した絵馬を家の入口の壁に貼っておくと商売が繁盛し、家族が健康になるといい、今も玄関に貼っている店や家が多くあります。また、絵馬を貼るときは「福」が逃げないように馬の頭を家の奥に向けて玄関の壁に貼るようにしています。

*松倉相場:紙絵馬は1,000円のものを1千万両、2,000円のものを2千万両という松倉相場で売り買いされます。

日程

毎年8月9日~8月10日

場所

松倉観音堂

山桜神社絵馬市

由来

「山桜神社絵馬市」の由来は、飛騨高山を治めた高山城主 金森頼直公の愛馬「山桜」にあります。

公が江戸詰の折明暦三年の大火に遭い、江戸城の鎮火に当たった公が猛火に包まれた時、山桜は主君を乗せ従者三人を従えて江戸城百間堀を超えその危急を救ったと伝えられています。山桜の晩年は永年の功により向町の厩で労われました。

死後厩の址に鎮火の霊としてその馬頭を祀ったのが山桜神社で通称馬頭尊として崇められ今日に至っています。

日程

毎年8月1日~8月10日

場所

山桜神社

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