賃上げ2024/UAゼンセン28組合・22万5000人が満額妥結

UAゼンセンは3月7日、2024年春闘において、28組合、組合員数合計22万5118人の賃上げが満額妥結したと発表した。

<松浦会長>

内訳は、正社員28組合(4万9451人)、パート26組合(17万3806人)、契約社員3組合(1861人)(組合数は正社員、パート、契約社員で重複)。

28組合のうち、J.フロントリテイリング グループ労働組合連合会をのぞく、27組合がイオングループ労連所属で、相場づくりをけん引している。

<イオングループ27組合で正社員・パートともに満額妥結>

同日行われた記者会見で松浦昭彦会長は「今年は、物価上昇を上回る賃上げの好循環を続けていく重要な年だと考えている。イオングループは2022年に労働協約を労使で結んでおり、通年で労使が話し合い、今年の春闘も非常に速いスケジュールで交渉が進み、他社にもプラスの効果を見込んでいる。現在、パート組合員の妥結は総合計は7.03%(3月4日10時現在)と正社員の2万258円・6.7%(同)を大きく上回っており、雇用形態間格差是正も進んでいる」と意気込みを語った。

<部門別妥結状況>※3月4日10時現在

3月4日10時時点の要求状況は、正社員組合員467組合、パートタイム組合員201組合、契約社員組合員79組合(計111万人)が要求書を提出した。正社員・パート組合員ともに、UAゼンセン結成後の2013年春闘以降、最も高い水準となっている。

正社員組合員は、加重平均で総合計(制度昇給、ベアなど込み)1万8345円(6.18%)、賃金引き上げ分(ベアなど)1万3509円(4.34%)。前年と比較できる461組合では、総合計で前年比3519円・1.08%増。

パートタイム組合員(時給)は、加重平均で総合計75.9円(6.96%)、前年と比較できる195組合の加重へ金額は11.8円増となっている。

部門別にみると、流通部門は正社員の加重平均で総合計1万8142円(6.18%)、総合サービス部門は正社員の加重平均で総合計1万9032円(6.59%)を要求している。

<流通部門の波岸事務局長>

流通部門の波岸孝典事務局長は、「賃金以外でもパートタイム・契約社員組合員の処遇改善の要求も推進しており、退職金制度導入を83組合(前年59組合)、一時金制度導入を93組合(同89組合)が盛り込んでいる。また、労働時間削減については、すでに10組合が休日増を確保した。昨年実績で、パートタイマーの一時金は産業平均3万5000円の中、流通部門は加重平均11万8000円。契約社員の退職金も産業平均約10万円のところ、流通部門は24万7000円を超えている。正社員と同一の制度はハードルが高いものの、是正を進めていきたい」と説明した。

<総合サービス部門の原田事務局長>

総合サービス部門の原田光康事務局長は「外食を中心に一定の手ごたえを感じる交渉が続いている。労使共通の課題は、人手不足。賃金以外の労働条件の向上、採用の強化のための初任給引き上げも積極的に要求していく」と話した。

<部門別要求状況>※3月4日10時現在

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