「年収1500万円まで」の世帯では「貯金意識が高い」ってホント?世帯年収別でみる「毎月必ず貯蓄をしている人」の割合

「毎月固定貯金をしている人」の割合

まずは、毎月固定貯金をしている人の割合を見てみましょう。

株式会社DIGITALIOが運営するデジコが実施した「『貯蓄と消費』に関する意識調査」によると、毎月固定額を貯蓄している方の割合は29.9%とのことです。7割近くの方が、毎月決まった額の貯蓄はしていないことが判明しました。

さらに、同調査による世帯年収別での結果では、年収1500万円までの世帯は、年収に比例し毎月固定額を貯蓄している人の割合は増えています。ただし年収1500万円以上の世帯においては、1000~1500万円未満の世帯よりも固定額を貯蓄している方は少ないようです。

高収入になるほど利用しているものとは?

では次に、高収入になる人ほど利用している割合が増えるものを見てみましょう。

税制優遇制度

税制優遇制度とは、条件を満たすことで税金の支払いを少なくできる優遇措置です。投資でも取り入れられており、代表的なものにNISAやiDeCoなどがあります。同調査にて、上記の制度を利用して投資している方の割合は22.4%とのことです。

こちらも世帯年収別に見てみると、年収1500万円未満の世帯までは年収が上がるにつれ投資に関する税制優遇制度を利用している割合は増加しています。一方で1500万円以上の世帯は貯蓄同様、1000~1500万円の世帯に次ぐ割合となりました。

キャッシュレス決済

次に、キャッシュレス決済を利用している割合について見てみましょう。同調査によると、日常の支払い手段としてキャッシュレス決済を利用している人の割合は、以下の通りです。

__・よく使っている(週1回以上):42\.4%
・たまに使っている(月1回以上):23.5%
・ほとんど使わない(月1回未満):14.7%
・使ったことがない:19.3%__

65%以上の方が月に1回以上はキャッシュレス決済を利用しており、生活における支払い手段として浸透しているようです。さらに世帯年収別の割合を見てみると、以下のような結果となりました。

__・400万円未満世帯:36%
・400万円以上世帯:46%
・1000万円以上世帯:52%__

世帯年収が増えるほどキャッシュレス決済を利用し、1000万円以上の世帯においては半数以上で利用していることが分かりました。

年収1500万円を超えると貯金の意識は薄まる傾向にある

今回の調査結果より、年収1500万円までの世帯では、年収と比例して毎月固定額を貯蓄している人の割合は増加していることが分かりました。しかし年収1500万円以上の世帯においては、毎月決まった額を貯金している割合は減少していたことから、年収が高ければ貯金への意識が高いと一概にはいえないようです。

また、世帯年収が増えるほど、税制優遇制度の利用やキャッシュレス決済を活用している割合は増えますが、同じく年収1500万円を境に意識の違いが見られます。貯金の意識を高めるためにも年収に関係なく、賢いお金の殖やし方についての知識を深めていくことが大切です。

出典

株式会社DIGITALIO デジコ 「貯蓄と消費」に関する意識調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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