海水温計測の機具を設置 南極氷河沖、データ蓄積へ

海中の水温や塩分濃度などを計測する係留系=6日、南極・トッテン氷河沖(南極観測隊同行記者撮影)

 【トッテン氷河沖=南極観測隊同行記者】第65次南極観測隊(橋田元隊長)は6日、東南極最大級の氷河「トッテン氷河」の沖合で海洋観測を行い、海水温などを計測する機具「係留系」を海中に設置した。

 係留系の長さは約500メートルで、海中の水温や塩分濃度、酸素量、流速を測定する機器が取り付けられている。端には海底に沈めるための重りが付いており、特定の音を流すと切り離され、海上に浮き上がる仕組み。各種データは1年にわたり蓄積され、第66次隊が回収する予定。

 トッテン氷河は気候変動による融解が懸念されており、暖かい海水が、海に張り出した氷の底面を解かしているとされる。

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