再犯防止を目的に、群馬県警は6日、前橋少年鑑別所と協定を結んだ。同鑑別所が開設している「法務少年支援センターぐんま」で行う心理検査やカウンセリングを通じて、少年事件やストーカー、配偶者暴力の加害者の更生を促す。
同日、県警本部で締結式を開き、県警の田村正男生活安全部長と同鑑別所の関谷益実所長が協定書に署名を交わした。関谷所長は「蓄積した知識を生かし、県民の安心につなげたい」とし、田村部長は「(成人の再犯対策を含む協定は)全国でも例がなく、先進的な活動になる」と強調した。
鑑別所は、非行少年の立ち直りの支援をしているほか、同センターとして成人を含む地域住民から犯罪やトラブルに関する心理的な相談・分析を専門職員が無料で受けている。
県警はこれまで、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出したり、摘発したりした加害者に対し、医療機関でのカウンセリングなどを勧めてきたが、任意である上、費用が加害者負担となるなどの課題があったという。今後は同センターでの無料の検査を促すとともに、同意を得た上で検査結果を共有して医療的なケアなどにつなげる。
県警によると昨年寄せられたストーカーと配偶者暴力についての相談はそれぞれ307件(前年比36件増)と969件(同129件増)で、いずれも増えた。