ネットバンキング特殊詐欺防止で感謝状 群馬県警富岡署が群銀行員3人に

高橋署長から感謝状を贈られた(左から)阪本さん、新井さん、須賀さん

 インターネットバンキングで本人名義の口座を開設させ、振り込んだ金をだまし取る特殊詐欺の被害を防いだとして、群馬県警富岡署(高橋英丹署長)は6日、群馬銀行甘楽町支店(甘楽町)の業務役の阪本道明さん(64)と行員の新井正美さん(56)、須賀貴子さん(43)の3人に感謝状を贈った。同署によると、この手口による詐欺未遂の発生と被害を防いだことが明らかになったのは県内で初めて。

 同支店案内係の須賀さんと窓口の新井さんが2月16日午前10時ごろ「自分名義のネット銀行口座に300万円を振り込みたい」と話す70代男性に対応。使途を聞いても不明確だったことから不審に思い、阪本さんに相談した。詳しく尋ねると、男性は北海道の検察庁と道警を名乗る人物から口座を開設して預金を移すよう要求されていると話し、詐欺を疑った阪本さんらが同署に通報した。

 同署によると、男性には1月、「携帯電話と口座が不正利用されている」「逮捕され、口座が停止される前にネット口座に資産を移転する必要がある」などと電話があった。守秘義務を指示されていたため、相談ができなかったという。高橋署長は「本人名義の口座間で送金する場合、詐欺だと気付きにくい。丁寧に事情を聞き出したのが素晴らしい」と3人の連携をたたえた。

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