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エンジンのシリンダーヘッドをオーバーホールする時に「外しやすいけど取り付けにくい」のが「バルブコッター」です。小さすぎて取り付けに苦労してるあなたへ、カンタンに取り付けるためのアイデアをお教えします。
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
難しいバルブコッターの取り付け
私は正直4サイクルエンジンのシリンダーヘッドの分解が苦手です。それはなぜかというと、バルブコッター(リテーナーロックキーパー)の取り付けがとても面倒くさいから。
シリンダーヘッドの分解は楽しいんですよ。一通り部品を外して、一つひとつの部品を全部綺麗にすると何とも言えない快感を味わえますから。でも、問題はここからです。
ステムシールを取り付けてバルブを差し込んで、
スプリングを入れて、
そしてリテーナーを入れてから、バルブスプリングコンプレッサーでスプリングを縮めると、次にやってくる難関がコレ(↓)です。
バルブの溝に吹けば飛ぶような小ささのバルブコッターをはめ込まないといけないのです。
この面倒臭さは一度作業した人ならわかるハズ。
難しくはないんです。作業そのものはとても簡単なのだけど、とてもメンドクサイ。うまくいけば一瞬で終わるけど、うまくいかない時は何度も何度も繰り返しになります。
バルブコッターの部品自体がとても小さくて掴みづらいので、ピンセットでは滑ってどこか飛んでいくし(そしてなくすし・・・)、マグネットならくっつけることはできるけど、肝心のバルブにうまくハマってくれない。ていうか、またマグネットにくっついて戻ってきちゃう。
ほかには、細いマイナスドライバーにグリスをつけて取り付けるという昔ながらの方法もあるのですが、これもそこそこの手先の器用さが要求されるのであまりうまくいかないんですよ。現に私もよく失敗します…。
そうです。不器用な私は、いつも苦労していたのです。
そして「バルブコッター取り付け方」とか「バルブコッター付かない」などのワードで検索してここにたどり着いたあなたは、なかなかうまくいかずにさぞイライラしてるのではないでしょうか?
そんなあなたに、こんな方法はいかがでしょう?
グリスと綿棒のコラボレーションはいかが?
まず、グリスと綿棒を用意します。特に凝ったものである必要はなく、普通の綿棒でOKです(ちなみにこれは百均の安物です)。
そしてバルブ側にグリスを塗ります。前もって塗っておくことで密着性が高まります。
そして同じようにグリスを塗った綿棒でバルブコッターをくっつけます。
ここまでの作業手順は細いマイナスドライバーと同じなのですが、なにせ綿棒はとても柔らかいのでグリスを取れる量を多くできるし、バルブコッターとの接地面も多めなので、なかなか落ちないだけの吸着力を発揮してくれるのですよ。
とはいえ、さすがに逆向きにするとバルブコッターが落ちてしまうので、そこは逆転の発想。
綿棒の向きはそのままに、シリンダーヘッドの方を傾けて、迎えに行ってあげてください。
そうすれば・・・
「スッ」と、あっけないほどに簡単にバルブコッタが入るはずです。
ご覧の通り。
金属にはない綿棒ならではのメリット
このやり方はマイナスドライバーでもできるのですが、ドライバーはやはり金属なので、磁化されていることもあって、せっかくバルブ側にくっついたバルブコッターが、ドライバーの磁力に引き寄せられてまた戻ってきてしまったり、離れる瞬間にずれたり起こしてしまうことがあるのです。
その点綿棒ならば間違いなく磁化することはありえないので、グリスの程よい吸着力のおかげで、かなりの確率でバルブ側へ貼り付けることが可能となります。
後はバルブスプリングコンプレッサーをゆっくり外して、なじませるためにバルブの頭をコンコンと叩けば、取り付け完了です!
専用工具なしでもなんとかなる!
もちろん、バルブコッターの取り付けには専用工具を用意するのがベストです。それを使えば取り外しも取り付けも確実に行うことができます。だけど、揃えだしたらきりがないのが、特殊工具の悲しいところです。エンジンのオーバーホールなんて滅多にやらないという方にはなかなか買いづらいというのが実情でしょう。
特殊工具はないけどエンジンのオーバーホールをしたいそんなあなたに、この手法がお助けになればとても嬉しいです。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
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