格安SIMも大容量プランが主流? 「20GB以上」でお得なプランを徹底比較

By モバワン編集部

通信キャリアのデータ容量は数年前まで、大手通信キャリアが大容量〜無制限プラン、格安SIMブランドが小容量〜中容量プランという棲み分けができていました。

ところが近年、20GB以上の大容量プランを設定する格安SIMブランドが増えており、価格も低下しています。

本記事では、格安SIMやスマホのお得な情報・最新ニュースを発信するメディア・モバワン編集部が、格安SIM会社の大容量プランを比較、解説します。

動画コンテンツの充実にともない大容量プランが増加

近年、TikTokやYouTubeショートなど、短編動画コンテンツが注目を集めています。一本あたり60秒までのショート動画とはいえ、連続で視聴していると多くの「ギガ」を消費します。

たとえばTikTokの場合、2時間連続で見た際に消費する通信量は約1GB。

仮に3GBプランの場合、6時間視聴すると上限に達します。6時間を31日で割ると一日あたり約11分なので、ヘビーユーザーでなくとも、データ容量が足りなくなりそうです。

このようなリッチコンテンツが主流になるにしたがって、格安SIMブランドは容量の大きなプランをリリースするようになりました。そして2024年3月1日、格安SIMの大手IIJmioが最大50GBのプランを投入したことで、がぜん注目が集まっています。

ここからは8つのサービスをピックアップし、20GB以上のプランに絞って比較していきます。

【その1】50GBの大容量プランでも安価なIIJmio

↑IIJmioのサイトから

老舗であるIIJmioはこれまで、「2GB・5GB・10GB・15GB・20GB」の5つのプランを展開していました。

2024年3月になるとこれに加えて、「30GB・40GB・50GB」が新たにラインアップ。50GBでも月額3900円(税込、以下同)と安価に使えることが魅力です。

また、余ったデータ容量は翌月まで繰り越せることもポイント。月ごとの使用データ容量が一定しない人にもおすすめです。

IIJmioの大容量プラン

※価格は税込み ※すべて音声通話機能付きプラン

【その2】プランの選択肢が多いイオンモバイル

↑イオンモバイルのサイトから

イオンモバイルは、プランの選択肢が格段に多いことで知られる格安SIMブランドです。小容量プラン「さいてきプラン」では、データ容量を1GB刻みで選ぶことが可能(最大10GB)。容量変更は無料で何度もできるので、自分に最適なプランを見つけられます。

そして、大容量向けプランの「さいてきプラン MORIMORI」では、最大50GBのプランに対応。どれも翌月までのデータ繰越ができるので、無駄なく使うことができます。

イオンモバイルの大容量プラン

※価格は税込み ※すべて音声通話機能付きプラン

【その3】SNSの一部機能でデータ通信量を消費しないのが魅力のNUROモバイル

↑NUROモバイルのサイトから

ソニーグループが運営するNUROモバイルは大きく分けて、通話メインの「かけ放題ジャスト」、小容量プランの「バリュープラス」、そして大容量プランである「NEOプラン」の3つを展開しています。

NEOプランで注目すべきは、付帯オプションの充実ぶりです。LINE・X・Instagram・TikTokの対象機能利用時にデータ通信量を消費しない「NEOデータフリー」や、上り通信のデータ通信量を消費しない「あげ放題」などのオプションが無料で付帯します。

動画配信などで上り通信を多く使う場合、通信費を大きく節約できる「あげ放題」は要チェックです。

NUROモバイルの大容量プラン

※価格は税込み ※すべて音声通話機能付きプラン

【その4】最大通信速度で料金が変わるmineo

↑mineoのサイトから

ユニークなプラン・オプションを提供していることで知られるmineoでは、1GB・5GB・10GB・20GBの4コースから選べる「マイピタ」と、データ容量無制限で使える「マイそく」の2つでサービスを構成しています。

特に注目したいのは、無制限プランの「マイそく」です。こちらは月額料金によって最大通信速度が異なる仕様となっており、支払う金額が高いほど通信速度が速くなります。

ただし、「マイそく」は平日の12時から13時の間、一律に32kbpsまで速度制限が行われます。32kbpsだとテキストを送受信するくらいが精一杯で、Web閲覧もままならない速度です。そのため、ランチタイムにスマホを使いたい人にはおすすめできません。

mineoの大容量プラン

※価格は税込み ※すべて音声通話機能付きプラン ※マイそくは平日12時台に通信速度が最大32kbpsに制限

【その5】100GBのデータプランとサービス面で魅力のahamo

↑ahamoのサイトから

ここからは大手通信キャリアのプランも紹介します。まず、ドコモの格安プランであるahamoには20GBの「ahamo」と、100GBの「ahamo大盛り」が用意されています。

月100GBのデータ容量なら、720pの高画質動画を約85時間視聴することが可能。これだけあれば、通常の使い方でギガが不足することは滅多にないと言えるでしょう。

また、5分かけ放題が無料で付帯するほか、海外でも手続きなしで20GBまで使用できるなど、料金やデータ容量以外のメリットがあることにも注目です。

ahamoの大容量プラン

※価格は税込み

【その6】大容量のデータトッピングもあるpovo

↑povoのサイトから

auのオンライン専用プランであるpovoは、基本料金が0円で必要なときにデータトッピングを購入する仕組みになっています。

30日間で3GBなどの小容量・短期間トッピングのほかに、「150GB(180日間)」といった、大容量かつ長期間使えるトッピングもラインアップしているので、多くのデータを使用する人にも最適な通信キャリアとなっています。

表に記載したトッピングのほかにも、期間限定で「40GB/30日間」や「300GB/180日間」などが販売されることもあり、幅広い選択肢の中から自由にトッピングをすることができます。

povoの大容量トッピング(通年販売しているもの)

※価格は税込み

【その7】各種割引が充実しているワイモバイル

↑ワイモバイルのサイトから

ワイモバイルは2023年10月、新たなプラン「シンプル2 S/M/L」をリリースしました。従来のデータ容量は「3GB/15GB/20GB」でしたが、シンプル2になり「4GB/20GB/30GB」へと増量。ワイモバイルでも大容量化が進みました。

月額料金は他社と比較すると若干高く設定されていますが、ワイモバイルは各種割引が充実していることが特徴。インターネットとのセット割引などを適用させれば、半額近くにすることも可能です。

ワイモバイルの大容量プラン

※価格は税込み ※カッコ内の価格は各種割引を適用させた金額

【その8】無制限プランが破格の楽天モバイル

↑楽天モバイルのサイトから

楽天モバイルは自社回線を有する大手通信キャリアの一角ですが、料金は格安SIM会社と同水準のため、本記事でも紹介します。

楽天モバイルのプランは「楽天最強プラン」の1つのみ。使用したデータ容量に応じて料金が段階的に上がっていく仕組みで、3GBまでなら1078円、20GBまでなら2178円、以降は無制限で使えて3278円となっています。

金額だけを見るとmineoの無制限プラン「マイそく」よりも高額ですが、高速通信ができる無制限プランで月額3278円は破格と言えるでしょう。

楽天モバイルの大容量プラン

※価格は税込み ※すべて音声通話機能付きプラン

8サービスの大容量プランを一覧で比較!

ここまでに紹介したプランを、データ容量ごとに一覧で比較していきます。

なお、mineoの無制限プラン「マイそく」は月額250円~と極端に安価ですが、通信速度が大きく制限される特殊なプランのため、比較からは除外しています。

大容量プラン月額料金比較(50GB以下)

※ワイモバイルのカッコ内金額は各種割引を適用させたもの

大容量プラン月額料金比較(60GB以上)

※povoの1か月あたりの参考料金はおよそ2163円

比較の結果、20GBならイオンモバイルが最安、30GBならIIJmioが最安、そして40GB以上になると、無制限プランである楽天モバイルが最安値となりました。なお、povoのトッピング料金を1か月換算にすると約2163円。3か月もしくは6か月まとめて支払いしてもいいのであれば、povoも十分選択肢になりえるでしょう。

ただし、これはあくまで通信量と料金を比較したもの。ほかにも「通信品質」「通信速度」「付帯オプション」なども注目して、最適な大容量プランを選ぶようにしましょう。

モバワンでは、格安SIM会社の大容量プランについて解説した記事を公開しています。月々のデータ容量が足りないと感じている人はぜひアクセスしてみてください。

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