リーグ開幕2試合を終えて2分と、今季のFC東京は白星を掴んでいない。C大阪戦も広島戦もリードされながら追いついた点は評価も、そこから突き離せない部分で物足りなさがある。
松木が「攻撃の質を高めたい」と言うように、ここまでは個の力に頼っている印象だ。流れるような展開からの崩しは数える程度で、ビルドアップの局面で苦戦しているシーンも多い。次節の神戸戦に向け、ボランチで先発候補の小泉はその組み立てについて次のように話している。
「一人ひとりがしっかりとポジションを取って、ボールを持った選手が背後に蹴るのか、繋ぐのか、その選択をリスペクトして次の動き出しにできればいいですし、ただ、ポジションを取るところの立ち位置を意識してやれればいい」
戦術理解度に優れた小泉らしい見解だ。しかし、それをチームとして共有できているのか。それができていないからこそスムーズな攻撃を繰り出せていないのではないかと、その点は疑問に感じる。
ただ、C大阪戦よりは広島戦のほうがチャンスを作れていたとの見方はできる。3月7日の全体練習では神戸を意識したゲーム形式のトレーニングもやっていた。これでしっかりと結果を出せればチームの士気は高まるはず。その点で、神戸戦は非常に重要な一戦となる。
クラモフスキー監督は神戸戦に向けて次のように話す。
「神戸は良いチームで、最高の選手たちがいます。なので、タフな試合に、エキサイティングなゲームになると思っています。その中で我々のほうが多く点を取れるように頑張りたいです」
開幕2試合のドローについては「パフォーマンスに焦点を置いている」という。
「継続して、改善していく。チームとして上手くできている部分もあるので、自信を持って続けていくことです」
継続していることが正しいと証明する意味でも、神戸戦での勝利は必須だ。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集部)