ヴィクトリーナ姫路 V2女子16試合全勝中もファイナルへ不安露呈 竹下佳江氏も叱咤激励

竹下佳江さん

バレーボール女子・Vリーグ2部(V2女子)のヴィクトリーナ姫路は、3日にブレス浜松と対戦し、セットカウント3-0で勝利。しかし、この一戦を観た元日本代表セッターの竹下佳江さん(現、ヴィクトリーナ姫路エグゼクティブアドバイザー)は、あえてチームに叱咤激励していました。

すでに「V・レギュラーラウンド」1位が確定しているなか、リーグ戦16試合を終えて全勝も継続。ヴィクトリーナは、この勝利で、ホーム・姫路での今シーズンラスト2試合や、3月24日に開催される「V・ファイナルステージ」ファイナルへ弾みを付けたように思われました。

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ところが、3日の浜松戦では、セットカウントこそ3-0でしたが、スコアは25-23、25-20、25-23と、いずれも接戦。失点19は浜松の12より多く、内訳を見るとサーブで11失点、アタックで8失点を記録。ヴィクトリーナにとっては課題の残る内容でした。このたび、竹下さんにその要因などを聞きました。

――(失点の多さは)勝ち進んでいる中での緊張や油断からだったと思いますか?

【竹下さん】 サーブに関しては、油断とかではないと思いますね。サーブはバレーの中でもひとりで行うプレーなので、特に個人のテンションや体調は関係します。普段の試合からサーブターゲットという、サーブをする場所が作戦にありますが、もちろん場所によって、選手の得意・不得意もありますから、それが(ヴィクトリーナによくないほうに)かみ合ってしまったのかなと。

――サーブを安定させることを優先すべきだったのでしょうか?

【竹下さん】 いいえ、それはよくないです。もちろんサーブが入らないのはよくないですが、そこで相手が簡単に取れるような弱いサーブをしてもな……とも思います。ポジティブに考えて、今回のこのサーブ失点続きをどう自分たちに反映させて修正するかというのがポイントですね。

――では、アタックでの失点についてどう思いますか?

【竹下さん】 相手のブロックポイントが3点なんですね。そこまで多い数字ではありません。なので、自分たちがちゃんと修正していけば、この失点は防げるかなと思います。ただ、これは“バレーあるある”といいますか、アタックはやはりサイドに集まります。今回も井上(愛里沙)選手は45本のアタックを打ってますからね。苦しい状況でボールが上がってくる選手たちはしんどいよね、とも感じてしまいますね。

――今回の試合は、全体的にどう考えますか?

【竹下さん】 防げる失点を防ぐ(ことが課題)。ミスを怖がったりするプレーは避けてほしいですね。日頃の練習成果は、必ず試合で出せますから。

今回のブレス浜松は、私から見て思うことですが、後半戦はとても調子が上がってきて良いプレーをしていたと思います。

ヴィクトリーナは全勝していますが、(浜松のように)徐々に(状態が)上がってきている相手に対しても、(もう一度気持ちを引き締めて)自分たちがやってきたバレーの形を出さないといけないのかなと。そのためにも、自分たちのプレーを整えて、今後も挑んで欲しいですね。

――最後に、今シーズンのラスト2試合となった3月9日、10日のホームゲームに向けて一言お願いできますか?

【竹下さん】 勝ち続けて学ぶことよりも負けで学ぶことの方が大きい、という話を、少し前にアヴィタル(・セリンジャー)監督と私で話したんです。本当にその言葉通りかなと私も思います。勝ち続けるというのは、成長という意味でも難しいこと。今回の結果を受けてヴィクトリーナがどう進化していくのか、それはとても楽しみですし、3月9日と10日に行われるラストのホームゲームでもファンの皆さんと一緒に、良いプレーと試合を見たいですね!

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レジェンドからの檄を受けたヴィクトリーナ。この週末は、今シーズンのV2女子「V・レギュラーラウンド」最後のホームゲームに臨みます。9日は3位のJAぎふリオレーナと、10日は8位の大野石油広島オイラーズと、それぞれ対戦。会場はいずれも姫路市のヴィクトリーナ・ウインク体育館で、試合開始予定は午後1時。日本代表メンバーに選出された井上選手や宮部藍梨選手をはじめ、アヴィタル監督のもとで成長を遂げている選手たちの活躍に、今回も期待が高まります。

※ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』より

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