祖父が若いころから「タンス預金」を続けています。聖徳太子の「旧札」なども交じっているのですが、使えなくなることもあるのですか?

旧札は使えなくなることがある?

1882年に開業した日本銀行は、1885年から日本銀行券の発行を始めました。それ以来、53種類の銀行券を発行し、その中で現在でも使用できるのは22種類です。これには最新の紙幣だけでなく、いくつかの古い紙幣も含まれています。

例えば、昭和の時代に代表的な高額紙幣のイメージとなっていた聖徳太子が描かれた旧一万円札は、現在でも使用可能であり、希望すれば日本銀行の窓口で現行の紙幣と交換することもできます。

しかしながら、特定の古い紙幣は現在使うことができません。過去には、特定の事情により、紙幣の通用力が失われた例が3回あります。1927年の関東大震災後、1946年の終戦直後、1953年の小額通貨整理のときです。これらの措置により、発行された53種類の紙幣のうち、31種類が使用不能になりました。

このように、紙幣の使用可能性は時間とともに変化することがあります。そのため、タンス預金などに古い紙幣が含まれる場合は、その価値や交換可能性に注意が必要です。特に、家族が代々受け継いできた古い紙幣などは注意したほうがよいでしょう。思い出の品としてなら問題ありませんが、通用力に期待するのであれば、使用不能の31種類に該当しないかどうかを調べてみましょう。

タンス預金のリスク

タンス預金は、自宅に現金を保管する行為を指しますが、この方法には以下のようなさまざまなリスクが伴うことを知っておきましょう。

・火災や津波などの災害による損失リスク

過去には火災や津波など災害により、多額の現金が一瞬にして失われた事例があります。2011年の東日本大震災などをはじめとした地震災害では特に、多くの家庭がそのような損失を経験しました。

・盗難のリスク

大量の現金を自宅に保管していれば、空き巣や強盗による経済的な被害の可能性が大きくなります。なお、盗難被害をカバーする保険に入っていたとしても、現金は保証対象外となるのが一般的です。

・遺産相続の際のリスク

現金の存在を証明できない場合、相続人間での争いが発生しやすくなるようです。実際に、故人が残したとされる現金の存在を巡って、相続人同士が法廷で争うケースが散見されます。遺産分割が完了した後に、隠し場所から大量の現金が発見されると、分割協議のやり直しや相続税の追徴課税につながり、関係者に大きな負担を強いることになるでしょう。

タンス預金をするのならさまざまなリスクを理解しておこう

タンス預金は手軽さや直感的な安心感を提供してくれますが、さまざまなリスクがある資産管理方法といえるでしょう。また旧札が含まれる場合、使えるかどうかは種類によります。通用力がなくなれば通貨としては価値がなくなってしまうため、注意が必要です。

さらに災害や盗難などのリスクは、現金を保管する際に常に念頭に置くべき事項といえます。遺産相続においても、タンス預金は紛争の種となるでしょう。これらの点を踏まえると、タンス預金は安定的な資産の管理方法と言い難い面を持っているといえるかもしれません。

出典

日本銀行 これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか? 古いお札を持っていますが、現在も使えますか?

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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