中国のイケア人気、家具・インテリア業界の変化を反映

中国のイケア人気、家具・インテリア業界の変化を反映

4日、イケア上海徐匯店に展示された、子どもがいる家庭向けの収納ソリューション。(上海=新華社記者/許暁青)

 【新華社上海3月7日】スウェーデンの家具大手イケアが中国で人気を高めている。上海市徐匯区にある店舗は3月初旬の閑散期にもかかわらず大勢の人でにぎわっている。収納用品が売れ筋で、棚などの収納家具だけでなく、同じ空間にスペースを追加できる収納機能を備えた椅子やテーブルも人気だという。

中国のイケア人気、家具・インテリア業界の変化を反映

4日、人々でにぎわうイケアの上海徐匯店。(上海=新華社記者/許暁青)

 整理収納などの家事代行サービスを手掛ける上海芸恩家庭服務の創業者、韓芸恩(かん・げいおん)氏は、中国の家具・インテリア消費は注目すべき変化を迎えており、「一人ひとりに合った効率的な個人収納へと向かっている」と指摘する。

中国のイケア人気、家具・インテリア業界の変化を反映

4日、イケア上海徐匯店内のレストラン。(上海=新華社記者/許暁青)

 イケア中国は24年会計年度(23年9月~24年8月)のスタートに合わせ、300品目余りを対象とした「価格投資」の実施を発表した。最近もさらに1億元(1元=約21円)以上を投じて対象品目を広げると明らかにしている。価格投資とは、原材料費の削減や業務効率の向上によるコスト削減分を価格に反映させ、消費者に還元することを指し、消費の促進・拡大策となる。

中国のイケア人気、家具・インテリア業界の変化を反映

4日、イケア上海徐匯店に展示された効率的な収納空間の実例。(上海=新華社記者/許暁青)

 値下げに当たっては、より融通の利く収納、子どもの遊び、家族や友人との団らんなど、消費者のさまざまな暮らしのニーズに応え、関連商品をより低価格で各家庭に広めることが重点とされた。イケアの今回の措置は、中国の家具・インテリア消費市場の盛り上がりに新たな活力を注入すると同時に、中国市場の長期的な開拓に対する同社の自信を示すものでもあるという。

中国のイケア人気、家具・インテリア業界の変化を反映

第6回中国国際輸入博覧会でのイケアの出展ブース。(2023年11月10日撮影、上海=新華社記者/許暁青)

 韓氏によると、中国の家具・インテリア・収納業界が迎えている変化は、効率や経済性、持続可能性とかかわる産業の変化と軌を一にしている。日本や欧州から中国に伝わったより質の高い収納の理念が、家具・インテリア・収納とその付加価値サービスの新たな消費の波を起こしつつあるという。(記者/許暁青、李平)

© 新華社