全国で仮設用地に被害リスク 30道府県、適地確保困難

津波浸水想定区域にある石川県輪島市の仮設住宅=4日

 災害時に自治体が供給する応急仮設住宅の建設候補地が、少なくとも30道府県で津波などの被害が想定される区域に一部でも含まれていることが7日、共同通信調査で分かった。適地確保が難しいためで、多くは「安全確認後に建設する」としている。ただ用地の被害が大きくて使えない、建設後に二次災害に遭う、といった可能性を完全には否定できない。被災者の不安解消が課題になる実態が浮かんだ。

 能登半島地震や2011年の東日本大震災でも、一部の仮設住宅は被害の恐れがある区域に建てられた。能登地震を受け対応を見直すとの自治体も多く見られる。

 調査は1月以降、47都道府県に実施した。被害が想定される区域に候補地があるとしたのは、愛知、和歌山など30道府県。ただ災害の種類や、ハザードマップなど被害が想定される区域の根拠とした資料は都道府県によって異なる。候補地がないとしたのは高知など6県だった。残る11都県は「精査中」など。

 多くの自治体は、被害に遭わない想定の候補地を優先的に使う方針だ。

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