嫌いだった筋トレも積極的に 鈴木愛が「絶対」に目指すメジャーの舞台

思い出の地・ランカスターCCへ気合十分(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇明治安田レディス ヨコハマタイヤ 初日(7日)◇土佐CC(高知)◇6273yd(パー72)◇晴れ(観衆1206人)

2019年大会覇者の鈴木愛が8バーディ、1ボギーの「65」で回り、2位とは3打差の7アンダー首位でスタートした。大会2勝目に向けて好発進を切った。アップダウンの激しいコースも「もうハーフ(9ホール)行けますね」と足取りも軽い。オフシーズンの過ごし方に理由があった。

契約を結ぶスポンサーへのあいさつやイベントなどもあり、12月は基本的に「練習をしない」期間だ。「1年間ずっとゴルフをしっぱなし。なので、やらない期間は自分の中で絶対に欲しい」とオンとオフのメリハリを作ってきた。しかし、昨年の12月はその時間を筋力トレーニングに充ててきたという。

「今まではトレーニングとか嫌々だったけど、(一昨年の)オフにすごくやり出してから体のブレだったり、1年間持つ体力を作ることができた。ここ数年苦しかったのも、昨季は手応えを感じられるシーズンで。もうちょっとトレーニングをすればもっといい結果が得られるのでは」と1回3時間ほどのトレーニングを週4日。時間があれば5日にわたって行く週もあった。

筋トレでの成果を感じるラウンドだった(撮影/中野義昌)

ハードな日々を過ごしてきたのも達成したい目標があるから。「ことしは絶対に全米女子オープンに出場したい」。今年5月のメジャー「全米女子オープン presented by アライ」はランカスターCC(ペンシルべニア州)を舞台に行われる。

この会場は、鈴木が初めての海外メジャー出場となった2015年「全米女子オープン」と同じ場所。当時は予選カットをしっかりクリアし、32位。「またあそこに行って、今だとどのくらい自分がやれるのかを見たい」と成長を見るには絶好の機会だ。

「思い出があるのもあるけど、戦略性があってコース自体すごく好き」。“聖地”セントアンドリュースオールドコース(スコットランド)の7月「AIG女子オープン」(全英女子)にも、もちろん「出られるチャンスがあれば」積極的に行くつもりだが、全米女子に対しては「絶対」と連呼した。

出場資格は4月3日時点と5月27日時点どちらかで、世界ランキング75位タイに入るのが条件となる。現在の世界ランキングは83位。チャンスは2回あるが、まずは3週後の「ヤマハレディースオープン葛城」終了時点の75位以内が照準だ。「2回目は全米女子前ギリギリ。早いうちに出場を決めたい」。気合は十分だ。(高知県香南市/石井操)

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