空気からバッグができた! 果たしてその価値は…

By 佐藤まきこ

材料の99%が空気。そんな不思議なバッグをフランス人デザイナーが制作しました。驚くべき原料と、異次元のような見た目で、早速世界で注目を集めています。

↑ほぼ空気で作られたバッグ(画像提供/The Independent/YouTube)

まるで宙に浮いているようにも見える、うっすらと白味がかっているこのバッグは、「Air Swipe Bag(エア・スワイプ・バッグ)」と名付けられたもの。名前の通り、材料の99%が空気でできています。

残りの1%にあたるのが、シリカエアロゲルと呼ばれる物質です。シリカとはケイ素のことで、人間の皮膚や爪にも存在する成分で、エアロゲルはNASAが開発した物質。宇宙のような厳しい条件でも耐えられる断熱材で、最大で12000℃の高温と、4000倍もの圧力に耐えられるのだそう。現在でも、NASAの火星探査車など宇宙開発のさまざまな場面で使われています。

シリカエアロゲルは、スポンジのようにナノレベルで微小の穴がたくさんあいているため、丈夫であるのに、とにかく軽量。そのため、このバッグの重さはたったの33グラム。スマホはたいてい1個で100グラム以上の重さがありますが、それよりもずっと軽いのです。

このバッグが一般販売されるのか、もしそうなら販売価格はいくらになるか、ということは明らかになっていません。ただ、「ほとんどが空気でできているのに、お金を払う必要がある?」なんて声も出ているようです。

しかし、1%の原料が特別にすごいものとわかれば、こんなユニークすぎるバッグを欲しがる人も現れるかもしれません。

【主な参考記事】

Daily Mail. French designer Coperni uses NASA’s silica aerogel to create a bag made of 99% AIR. March 5 2024

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