イスラエル軍、砲撃後に重機関銃も発砲か 記者死亡で報告書

Maya Gebeily Anthony Deutsch

[ベイルート/ハーグ 7日 ロイター] - レバノン南部で昨年10月、取材中だったロイターの映像記者イッサム・アブダラ氏がイスラエルからの砲撃で死亡した事件に関する報告書が7日公表された。

これによると、イスラエル軍の戦車の乗組員1人が明らかに報道陣と分かる集団に砲弾2発を発射。その後、報道陣に向けて重機関銃を発砲した可能性が高い。攻撃は1分45秒間続いた。

報告書はロイターの委託でオランダ応用科学研究機構(TNO)がまとめた。TNOは現場で記録された映像や音声などを分析した。

イスラエル軍の戦車は1.34キロメートル離れた地点から報道陣に向けて120ミリ弾を2発発射。最初の砲弾でアブダラ氏が死亡、フランス通信(AFP)のカメラマン、クリスティナ・アッシ氏が重傷を負った。

アルジャジーラのビデオカメラが記録した音声によると、報道陣は50口径弾による攻撃も受けた。イスラエル軍の戦車「メルカバ」に搭載可能な「ブローニング」重機関銃で使われるタイプの銃弾という。

重機関銃による攻撃については、正確な距離や方向が特定できず、断定はできないが「メルカバ戦車が砲弾2発を発射後、報道陣のいた場所に向けて重機関銃も使用した可能性が高いと考えられる」としている。

ロイターのアレッサンドラ・ガロニ編集主幹は「明らかに報道陣と特定できる集団に対する攻撃を最も強い言葉で非難する」とし「イスラエルに対し、なぜこのようなことが起きたかを説明し、関係者の責任を問うよう改めて求める」と表明した。

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