木村拓哉が大手ゼネコンの陰謀に巻き込まれる? 『Believe』が描く“希望と再生”とは

テレビ朝日開局65周年記念作品となる『Believe-君にかける橋-』が4月よりスタートする。同局の看板枠である木曜ドラマで主演を務めるのが、木村拓哉だ。

脚本はこれまで『白い巨塔』(フジテレビ系)や『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)、『緊急取調室』シリーズ(テレビ朝日系)などを手がけてきた井上由美子。監督は『緊急取調室』シリーズをはじめ、2023年7月期放送の『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)でも話題を集めた常廣丈太。共に、木村主演の人気ドラマ『BG~身辺警護人~』シリーズ(テレビ朝日系)を手がけた布陣が本作で再集結する。

完全オリジナルで描かれる本作で木村が演じるのは、狩山陸。50歳で大手ゼネコン「帝和建設」の土木設計部で部長を務める建築士だ。公式サイトには、「建設物オタクであり、こと建築にかけては完全主義者。橋づくりに情熱を寄せ、数年前から計画が始まった“龍神大橋”の建設に主任建築士として従事」とある。

木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』PR動画
「建築士役」と聞いて、建設現場やオフィスで働く木村の姿を思い浮かべた人も多かったのではないだろうか。ところがPR動画では、木村が演じる狩山の背中が映し出され、留置所の面会室のような小部屋にひとり座っている様子が公開された。「希望と再生の物語」というテロップが掲げられ、「修正できない設計図はない……」と誠実で柔らかい雰囲気の木村の声が重なる。

テレビ朝日の直近のドラマで木村は、前述した『BG~身辺警護人~』シリーズ(2018年、2020年)ではボディガード役、2022年放送の『未来への10カウント』では高校のボクシング部を舞台に、部活のコーチと非常勤講師を務める元アマチュアボクサー役を熱演。若き俳優陣との共演でも話題を集めた。平成のドラマでは、さまざまなラブストーリーや、新たなヒーロー像を打ち立ててきた木村。近年では、『グランメゾン東京』(TBS系)、『教場』シリーズ(フジテレビ系)のように、若い世代と共演しながら、ミドルエイジ層にも訴えかけるストーリーで、変わらずドラマ界を牽引している。

今作ではどんなストーリーが展開されるのか、内容についてはまだ詳細は明かされていないが、PR動画の様子から想像するに、何者かから仕組まれ、貶められた可能性もありそうだ。「希望と再生の物語」というコピーからは、どん底からの再起、逆境からの逆転劇が想像できる。肩書も土木設計部の部長とあるだけに、社内政治や競合他社など、ライバルによる下剋上のような企みに巻き込まれたのだろうか。はたまた狩山陸を慕う部下やチームの絆も描かれるのではないだろうかと予想する。

過去には、木村が演じた役柄に影響を受けた視聴者が、その職を目指し実際に就任したというエピソードもある。本作でも、木村が人や物事に向き合う姿勢を通して、こうありたいという理想像を見せてくれるのではないか。

大手ゼネコンというこれまでにないフィールドを舞台に、狩山陸としてどんな姿を見せてくれるのか。アラフィフ世代に勇気を、そして若者には希望や理想像をもたらしてくれそうだ。事前情報では「日本のドラマ史にとんでもない一石を投じます」とあるだけに、期待が高まる。
(文=柚月裕実)

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