【光る君へ】吉高由里子が直秀のセリフに「こみ上げてくる」

平安時代の長編小説『源氏物語』の作者・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の人生を、吉高由里子主演で描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。滋賀県高島市の琵琶湖畔で3月7日、まひろと父・藤原為時たちが越前に向かうシーンの撮影がおこなわれ、吉高と岸谷五朗が囲み取材に応じた。

琵琶湖畔で撮影をおこなった吉高由里子と岸谷五朗(3月7日・滋賀県高島市)

1月の会見で「スタジオには空がないからロケがしたい」と語っていた吉高にとっては、待望の屋外ロケ。為時が越前国の国司となり、まひろもそれに付き従って、小船に乗って越前に向かう・・・というシーンを撮影した。

この日は、吉高が取材陣に「琵琶湖っていつも、こんなに風が強いんですか?」と逆質問するほどの強風に見舞われた湖畔。そんな天候に翻弄されながらも、1日で無事撮了した。

開口一番、「久々に空が広いロケでワクワクしました。『すごくいろんな経験をさせてもらうなあ』と思いながら、船に揺られていました」と明るく語った吉高。

『光る君へ』第8回より、「海の向こう」について話す直秀(毎熊克哉)とまひろ(吉高由里子)(C)NHK

「(第9回で退場した)直秀が言った『海の向こう』をこれから見に行くので、誰も知らないところで、私も生まれ変わることができるんじゃないか? という気持ちが、こみ上げてくるときもあると思います」とまひろの心境を明かした。

越前編でのまひろは、「『宋人』という中国の人たちと一緒に、国をより良くするために問題を解決しようとします」とポジティブな行動を見せる一方で、「父上と二人三脚でがんばろうと思いつつも、自分の生きる価値というか、見当たらない志を模索して苦しむ。まひろには(直秀の)『遠くの国』というワードがずっと残っているから、それに引っ張られてしまうのか? という危うさもある」と、いわゆる「自分探し」的な時期になるようだ。

『光る君へ』第21回より、越前へ向かい琵琶湖を小舟で渡るまひろ(吉高由里子)と為時(岸谷五朗)ら(C)NHK

気になる『源氏物語』については、「起筆はまだですが、これまでの自分の経験や景色が『源氏物語』に結びついていくのでは」とも。越前編ではどんな要素が『源氏物語』の種子となっていくかにも注目だ。

『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。越前編は、5月26日の第21回から放送予定。

取材・文・人物写真/吉永美和子

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