京都の元共産党職員「党の除名処分は違法で無効」と提訴

除名処分の無効などを求める提訴について説明する松竹氏(1月、東京都内)

 京都の元共産党職員の松竹伸幸氏が7日、除名処分は違法で無効だとして、同党を相手取り、党員の地位確認を求めて東京地裁に提訴した。機関紙「しんぶん赤旗」の報道で名誉を傷つけられたなどとして、550万円の損害賠償も求める。

 訴状によると、松竹氏は昨年1月に党首公選制の導入などを訴えた著書を出版したところ、「党内に派閥・分派はつくらない」などとする党規約に反するとして党京都府委員会から除名処分を受けた。これを不服として、党規約に基づく再審査を請求したが、1月の党大会で却下された。

 松竹氏側は、意見表明の機会が十分に与えられず、党規約の一部は憲法が保障する表現の自由を制約する上、著書出版も規約違反に該当しないとしている。

 東京都内で記者会見した松竹氏は「結社の自由の範囲内で、政党構成員の出版や言論の自由がどこまで許されるのか、新しい判例が必要。裁判を通じ、自由で民主的で何でも議論できる党の在り方を再建する気持ちでやりたい」と話した。

 共産党は「除名処分は、党規約にもとづいて厳正かつ適正に行われたものであり、最終的に決着済みの問題。このような提訴は憲法に照らしても成り立たない」とコメントした。

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