リチウムイオン電池が原因とみられる火災が増加 ごみ処理施設の火災では4億9000万円の被害も

テレビ愛知

最近、モバイルバッテリーなどにも使われているリチウムイオン電池が原因とみられる火災が増えています。捨て方を間違うと、大惨事につながる可能性も…。

ゴミを処理する機械でリチウムイオン電池を砕いていく様子を再現すると…。機械に入れた直後、大きな火柱が立ちました。

モバイルバッテリーなど充電式の家電に広く使われているリチウムイオン電池。今、間違った捨て方による火災が、全国で相次いでいます。環境省によりますと、処理施設やごみ収集車の中で、リチウムイオン電池が原因で出火したと疑われるケースは、2019年度が9732件だったのに対し、翌2020年度は1万2765件と、約1.3倍に増えています。

名古屋市でも2023年1年間に発生した「リチウムイオン電池が原因とみられる火災の件数」は26件と、2022年に比べ11件増加しています。一体、なぜ増えているのか?

原因の1つとして考えられるのがリチウムイオン電池を使用した製品の増加です。小型の充電式電池のリサイクルを行うJBRCによりますと、リチウムイオン電池の回収量は2012年度に161トンでしたが、2022年度には592トンとなり、10年間で約3.7倍になりました。

リチウムイオン電池が原因とみられる火災で、大きな被害が出た施設があります。名古屋市港区にあるごみ処理施設、大江破砕工場です。

大江破砕工場 兼重隆工場長:
「こちらが運ばれてきたごみをためておく”ごみピット“です。あのあたりで、リチウムイオン電池が原因とみられる発火がありました」

2017年1月、ごみを一時的に溜めておく「ごみピット」で火災が発生。ごみの中に混ざっていた
リチウムイオン電池に何らかの衝撃が加わり、発火したとみられています。

この火災で、クレーンや照明器具、監視カメラなどが損傷。被害総額は4億9000万円にのぼりました。

大江破砕工場 兼重隆工場長:
「家庭での小さな気遣い1つで大きな危険回避ができるので、分別にご協力お願いします」

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