【アメリカ大学野球の名門④サザン・カリフォルニア大学】UCLAのライバルはメジャーリーガーを多く輩出する名門

花巻東高校の佐々木麟太郎がスタンフォード大学への留学を決め、注目されているアメリカの大学野球。UCLAのライバルとして同じカリフォルニアに位置するもう1つの名門、サザン・カリフォルニア大学、略してUSCは大学野球最多のメジャーリーガーを輩出している。

ロサンゼルスの中心に位置し、カリフォルニアで最も歴史のある名門私立大学がUSC(University of Southern California)だ。「サザン・カリフォルニア大学」とも呼ばれる同校は、ノーベル賞受賞者を多数輩出する全米屈指の名門校であると同時に、人類で初めて月面に降り立ったアポロ11号のニール・アームストロング宇宙飛行士、『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』を生み出したジョージ・ルーカス、さらには安倍晋三氏、三木武夫氏ら日本の元首相も在学していた。

オリンピックのメダリストも多数輩出し、「トロージャンズ」と呼ばれる同校の学生スポーツチームは多くの輝かしい功績をあげている。その結果、メジャーリーガーの輩出数は119名と大学野球で最多を誇る。

そんなUSCを代表する選手の1人が、1998年にサミー・ソーサとハイレベルなホームラン王争いを繰り広げ、当時の新記録となるシーズン70本塁打を放ったマーク・マグワイアだ。

マグワイアは1981年のMLBドラフト8巡目(全体199位)でモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)から指名されたが、契約せずにUSCへ進学。1984年のドラフト1巡目(全体10位)でアスレチックスに入団し、1987年には当時の新人最多となる49本塁打を放ち、本塁打王のタイトルを獲得しただけでなく、満票でア・リーグの新人王に選出された。

殿堂入り選手も多く、メジャー2年目から9年連続で200奪三振以上を記録し、サイ・ヤング賞を3回受賞したトム・シーバーは、当時史上最高の得票率98.84%でアメリカ野球殿堂入りを決めた。

そして、左腕として歴代最多となるサイ・ヤング賞5度受賞、歴代2位の通算4875奪三振を記録した「ビッグ・ユニット」ことランディ・ジョンソンは、1982年にMLBドラフト4巡目(全体89位)でブレーブスから指名を受けるが、契約せずに同校に進学。大学時代はマグワイアとチームメイトとしてプレーし、1985年のドラフト2巡目(全体36位)でエクスポズから指名され、プロ入りを果たす。その後は、最多勝1回、最優秀防御率4回、最多奪三振9回、サイ・ヤング賞5回、通算303勝を挙げ、歴代2位の4875奪三振を記録して2015年に殿堂入りを果たした。

また、2023年のワールド・ベースボール・クラシックで侍ジャパン初の日系アメリカ人選手として世界一に貢献したラーズ・ヌートバーもUSC出身だ。ロサンゼルスから程近い地元の公立高校から進学したヌートバーは、高校まではフットボールと野球の両方で活躍していたが、大学では野球に専念し、2018年のMLBドラフトでカージナルスから8巡目(全体243位)指名を受けてプロ入りした。

ヌートバーもトロージャンズの一員として勝利の伝統を引き継ぎ活躍した。そんな強豪校からは今後も多くのスター選手が生まれてくるだろう。ヌートバーはもちろん、これからもMLBで活躍する選手を輩出し続けるであろうUSC。どんなスター選手が生まれてくるのか、トロージャンズの今後にも注目だ。

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