劇場型水族館「アトア」(神戸市中央区新港町)が8日、同館初となる大規模リニューアルを終えて新コーナー「アトアラボ」をオープンさせた。見渡す限りの空間を約2500冊の書籍が埋め尽くし、水槽の展示を間近に読書を楽しめる。作家の荒俣宏さんが監修した特別企画展「アラマタ流『水族館学のススメ』」も同時にスタートした。
同館は2021年秋、芸術の要素を取り入れた水族館として開館した。
壁一面に高い本棚が設けられたアトアラボは、「知的好奇心を刺激するアートな空間」がテーマ。「自然美と芸術」や「環境と未来」など七つに書籍を分類し、くつろぎながら本を読めるスペースも備える。
床面には魚類の進化の道筋を示した「系統樹」を敷き、異なる形状でも近縁関係に当たる魚類など新たな発見を楽しめる工夫を凝らした。
企画展では荒俣さんが執筆した図鑑をはじめ、水族館関連の資料がずらり。「魚の画家」として知られる日本画家・大野麦風の木版画の原画や、関西の水族館の古い入館チケットなど貴重なコレクションも並ぶ。
「水族館に興味のない人も、生き物や自然に関心を持つきっかけになれば」と同館の担当者。企画展は5月6日まで。午前10時~午後8時。一般2400円(4月1日から2600円)、小学生1400円(同1500円)、3歳以上800円(同500円)。TEL078.771.9393 (森下陽介)