「完売していること多い」タルトの人気店も認めた!親子が育てた桃の香りがするイチゴ【しずおか産】

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
「いただきます。ジューシーですね。香りがすごいです。桃のかおりがします」

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シックスベリーファーマーズ松田農園 松田義人さん>
「イチゴの中に桃の香りの成分が入ってまして、この香りが一番の特徴です」

今回の「しずおか産」は桃の香りのするイチゴその名も「桃薫(とうくん)」。

静岡県焼津市の「ふるさと納税返礼品」にもなっている焼津が誇る「イチゴ」なんです。「桃」のような薄いピンク色の「桃薫」。香りだけではないんです。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
「見てください、真っ白です」

シックスベリーファーマーズ松田農園 松田義人さん>
「どこを切っても真っ白な、きれいな色をしていますね。桃薫という名前の通り、桃に似た食感でやわらかいので、よりジューシーさを感じられるイチゴです」

いま贈答用に人気の「きらぴ香」よりも高い価格で販売されています。

焼津市のシックスベリーファーマーズ松田農園。松田義人さんと父・肇さんが中心となって「桃薫」を栽培しています。

「桃薫」は国の研究機関「農研機構」が特徴のある品種を開発している中で「桃」の香りを持つ野生のイチゴが見つかり、そのイチゴをもとにして生み出されました。

個性的なイチゴを探していた父・肇さんがいち早く「農研機構」から株を譲り受け、2011年から「桃薫」の栽培を始めました。

<シックスベリーファーマーズ松田農園 松田肇代表>
「これが一番最初に桃薫が出来た時、農研機構が出したパンフレットです」

見せてくれたのは、品種の特性や全国でも先駆けて「桃薫」を栽培した生産者が紹介されているパンフレット。松田農園も掲載されています。

「桃薫」には栽培のマニュアルがなく手探りで栽培したと言います。

<シックスベリーファーマーズ松田農園 松田肇代表>
「桃薫は品種の特徴はわかったんですが、具体的な栽培方法がなかったので、この地域に適した栽培方法を自分で掴むしかなかった。その辺の苦労もありました」

苦労は栽培だけではありませんでした。当初「桃薫」の認知度は低く、また、市場に安定して供給できるほど生産量も多くなかったため、販路の確保にも苦労したと言います。

<シックスベリーファーマーズ松田農園 松田肇代表>
「最初の1年、2年は捨てたイチゴもいっぱいあった中で、なんとか今にこぎつけている感じです」

その時、救世主となったのが「桃薫」のタルト。フルーツタルトで有名な静岡市の「キルフェボン」では、2013年から松田さんの桃薫を使って販売しています。

<キルフェボン 齊藤花店長>
「キルフェボンではイチゴの種類を多く扱っていますが、なかでも桃の香りがするイチゴということで人気があります。夕方には完売していることも多いほど、大変好評をいただいています」

<シックスベリーファーマーズ松田農園 松田肇代表>
「キルフェボンさんは珍しい果物を求めていると聞いて、もしかしたら、『桃薫』っていいかもしれないねと使っていただいて、最初は静岡店だけだったんですが、今は全国の店舗で使ってもらってます」

焼津の農園で大切に作られた「桃薫」。松田さんの思いが詰まった香り高きイチゴです。

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