中国の研究者、貴州省でニオイガエルの新種を発見

中国の研究者、貴州省でニオイガエルの新種を発見

雷公山国家級自然保護区で研究者が撮影した「雷山ニオイガエル」。(2023年9月1日撮影、雷山=新華社配信)

 【新華社貴陽3月7日】中国人研究者が貴州省の雷公山国家級自然保護区で発見した両生類がこのほど、形態学的および分子系統学的解析を経てニオイガエル属の新種と判明した。同省黔東南(けんとうなん)ミャオ族トン族自治州雷山県で最初に発見されたため、研究者は「雷山ニオイガエル」と命名。研究成果を国際動物分類学誌「ZooKeys」に発表した。

 茅台学院、貴州大学林学院、貴州野生動植物保護協会、中国科学院成都生物研究所と同保護区の研究者が2023年3~10月に保護区内で両生類と爬虫類の特別調査を実施し、標高1600~1800メートルの渓流付近にある岩場と竹林で雷山ニオイガエルの成体計7匹を発見した。

中国の研究者、貴州省でニオイガエルの新種を発見

雷公山国家級自然保護区で研究者が撮影した「雷山ニオイガエル」。(2023年8月6日撮影、雷山=新華社配信)

 同種は比較的小型で、頭胴長は雄が39.1~49.4ミリ、雌が49.7ミリ。頭幅が頭長を上回り、鼓膜がはっきり見える。雄は鳴嚢(鳴き袋)を持たず、体と四肢の裏側がいぼ状の小さな粒で覆われているなど、同一地域に分布する他のニオイガエルと顕著な違いがある。

 保護区では14~23年に両生類と爬虫類の調査が数多く実施されたが、雷山ニオイガエルは23年に限られた範囲で成体7匹が見つかったに過ぎない。研究者は個体数が少ないと判断し、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種(VU)に分類することを推奨した。

 雷公山国家級自然保護区は中国の重要な「種の宝庫」となっており、これまでに雷公山をタイプ産地とする両生類の新種6種が発見されている。(記者/李黔渝)

中国の研究者、貴州省でニオイガエルの新種を発見

雷山ニオイガエルのホロタイプ(正基準標本)と定め、研究者が撮影した個体。(資料写真、雷山=新華社配信)

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