AKIARIM[ライブレポート]揺るぎない決意を込めたパフォーマンスを解き放ったZepp Shinjukuワンマン「あなたの居場所は私たちが作ります。これからも一緒に生きて」

AKIARIM[ライブレポート]揺るぎない決意を込めたパフォーマンスを解き放ったZepp Shinjukuワンマン「あなたの居場所は私たちが作ります。これからも一緒に生きて」

AKIARIM(アキアリム)が、2月26日(月)にZepp Shinjuku(TOKYO)にて結成4周年記念となるワンマンライブ<AKIARIM 4th Anniversary 【Order of magnitude】>を開催した。

2022年12月に現体制となり1年。2024年早々からAKAIRIM主催のサーキットフェス<ARIM FES 2024>や、都内8ヵ所でのビジョンジャック企画、計16組の錚々たるアイドルグループとのコラボレーション企画ではAKIARIMの卒業メンバーとの融合など、さまざまな企画を実施。そのすべてがこのZepp Shinjukuワンマンへの階段を登っていく成長の場となった。

本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

少し遅れた開場からフロアに入るとBGMには今回の『Stairway to Zepp Shinjuku』企画でコラボレーションした、強くてニューゲーム。(ex.TA女子)、MARKET SHOP STORE、NOW DRAMATiC、MANACLE、ノコフク、キミイロプロジェクト、TIGHT、不感症ヘビ苺、RASCAL CLAN、Caress Van End、HUMAN螺旋、MAD JAMIE、AdFicTioN、POPPiNG EMOの曲が次々と流れる。今回AKIARIMのファンだけではなくコラボ企画でAKAIRIMを知ったファンも会場に訪れており、そのつながりの深さも感じる。

BGMが止み照明が落ちるとお馴染みのオープニングSEが流れ、フロアからは歓声が上がる。

Reina、Risa、Ruka、Nanae、Kotonoと順に登場し拳を突き上げる。Kotonoが“始めようかZepp Shinjuku”と噛み締めるように言葉を放つとオープニングナンバー「our song」で【Order of magnitude】の幕を開けた。

「our song」は前体制のラストソングとなった曲だが、現体制最初のオリジナル曲となった「your song」と対になっている。《君がいて僕を照らす 笑い合う瞬間に勇気貰ってる / 僕がいて君が歌う 途切れないメロディは 僕らを繋いで / これからもour song 鳴り響け未来へ / これからもour life 時代を駆け抜けろ》《今日 この場所に 境界線はないよ / 偶然じゃ淋しい / 全員でかかれ!”“君がいて僕を照らす 揺るぎない思い出に 背中を預けて / 僕がいて君が踊る 途切れない激情が 僕らを繋いで / これからもour song 鳴り響け未来へ / これからもour life 迷いを超えてゆけ》と歌うメンバー。《私たちの歌》は境界線もなくオーディエンスと一緒に“私たちの歌”となって、このライブのスタートに相応しい曲となった。

続く「Goodmorning,人生」ではReinaが“今日ここにいる人すべてをOnerと呼ばせてください! Oner愛してるよ!!(※OnerはAKAIRIMのファンの総称)”と叫び、「アリム」ではRukaが“ライブハウスZepp Shinjukuへようこそ!”と叫ぶ。

これまでのAKAIRIMのライブはパフォーマンス重視で演出面では派手な演出をしていなかった印象があったが、Zepp Shinjuku(TOKYO)の背面大型ビジョンには歌詞を中心としたモーショングラフィックが映し出され、レーザー、照明と煌びやかな演出が取り入れられていた。

オープニングから希望に溢れた曲に爆発するかのようなパワーで歌い踊る5人の姿は、このステージに相応しく感じる。“来ちゃったね! Zepp Shinjuku!!”と叫ぶと歓声が上がり、自己紹介する各メンバーの顔には満面の笑顔が浮かび、この5人でこのステージに立っている喜びに溢れていた。

「your song」「消えない明日へ」と続くとエモーショナルさはさらに増し、フロアでも各々ペンライトや拳が上がる。「Mr Darling」ではメンバーが肩を組み合うと、フロアでもオーディエンス同士が肩を組み、「ROLLING DARMA」「エッフェル」とファンク調の曲に身体が揺れていく会場は序盤にも関わらず一体となっていた。

そんな一体となったフロアを愛おしく抱きしめるように、満を持してと言わんばかりの現体制初となる「全部抱きしめるよ」を披露する。ピアノがしっとりと鳴り響き優しい歌声に包まれ、フロアも穏やかな空気に変わるとそのままステージから捌ける5人。

暗闇の中ステージ前方にスクリーンが降ろされると、以前公開された「your song」のラストシーンとなった遠くを見つめるReinaの姿が映し出された。懐古するように結成から現在までの流れやNanae、Risa加入時の映像が映される。映像が終わると“私たちAKIARIMは、あなたがいるからステージに立つことができます。 / このステージであなたと一緒に / 生きる”というメッセージが綴られ、メンバーは再度登場。「ALIVE」が始まるとフロアに緊張感が走った。スクリーンは降ろされたままでシルエット越しの姿に状況が掴めないオーディエンスもいたのではないだろうか。スクリーンには歌詞が映し出され、その奥でうっすらと踊っているメンバーが見える。ステージに目を凝らし集中する観客。その分曲が、歌が、映し出された歌詞とともに心に刺さってくる。同様に「プラスとマイナス」へと続き、熱い歌声が響いた。

「プラスとマイナス」が終わるとスクリーンが落ち、マント姿の5人が現れるとAKIARIMイチの激情ソングとも言える「イキって生きろ!」へ。マントを脱ぎ捨て鮮明に姿を現したのは新しい衣装を身に纏ったメンバー。水色を基調に少し柔らかい印象を帯びた衣装は今までと違う雰囲気を醸し出し新鮮さを感じさせる。

新しい戦闘服で「イキって生きろ!」「Hold On!!!!!」「カウンターアクション」と立て続けにアッパーチューンを投下すると、フロアの熱もヒートアップし最高潮へ達していく。「カウンターアクション」では、オーディエンスのジャンプにフロアがリアルに揺れているのが感じられたほどだった。

ここで新曲の「futurize」を披露。昨年夏よりAKAIRIMのバンドセットでギターを務めるGONDA(GRiP)がAKAIRIMをより知った状態で、ラウド感はありつつ繊細なメロディと未来へ続く希望を描いた楽曲だ。「日常GRAPHIC」「ALL IS WELL」と続き「イキって生きろ!」から6曲連続で激しく歌い上げ踊る5人には、もはや貫禄さえ漂う。

これまで神妙なMCでは多くを語らなかったRisaが語る。“Kotono、Reina、Rukaが続けてくれたからNanaeとRisaがAKAIRIMに出会えて大切な場所になっています。これからもこの5人とOnerとでもっといろんな景色を見ていきたい。出会ってくれてありがとう”と語ると、AKAIRIMにとって出会いを象徴する「合縁奇縁」をフロアのOner1人ひとりに届けるように真っ直ぐ見つめながら歌う。

本編ラストは「One」。“Only oneな自分”を歌うこの曲で会場を1つにすると、Kotonoが“この4年間本気で生きてきました。今日を迎えることができて心から嬉しいです。世界で1番大切な場所はこの場所だから、AKAIRIMだから、Kotonoの一生をかけてAKAIRIMを守っていきます。あなたの居場所は私たちが作ります。これからも一緒に生きて”と熱弁すると、ラストは会場一体となった大合唱で締めて本編を終えた。

アンコールに再び現れたメンバーは、 この1年を噛み締めるように「春夏秋冬」を歌い上げ、未来に花を咲かせる強い意志を持って「FLOWER」「ミライト」と続けて、笑顔の中大団円を迎えた。

メンバーがステージを去るとバックスクリーンには告知が浮かび上がった。5月29日(水)にミニアルバム『合縁奇縁』、この日の公演<AKIARIM 4th Anniversary 【Order of magnitude】>のライブDVDとライブフォトブックのトリプルリリースを行なうことを発表。そのリリースパーティを新宿BLAZEにてバンドセットワンマンとして行なうこともアナウンスした。

新宿BLAZEといえばNanae、Risaが以前所属していたグループでバンドセットワンマンを行なった場所であり思い入れの強い会場だ。過去が現在を作ることを強く感じ、未来へ向かうAKIARIMというユニットらしい会場であり、その未来は過去を超えていくのだろうと確信する。

過去最大規模となったZepp Shinjuku(TOKYO)ワンマンライブは、確実に彼女たちにとって過去最高のライブになった。Kotono、Ruka、Nanaeが熱量高く歌い上げ、Risaがラップで吠えるとReinaがダンスで飛び出してくる。グループとしての纏まりがより一層強くなってきたAKIARIMというユニットがこの通過点を通り、どこまで高みに昇っていくのか、ぜひ注目していただきたい。

AKIARIM 4th Anniversary 【Order of magnitude】>

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