旧統一教会問題巡り野党が文科相を再び追及 解散手続きで「司法の心証」懸念の声も

国会議事堂(資料写真)

 盛山正仁文部科学相は7日の参院予算委員会で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関係を巡り再び野党から追及を受けた。同教団の解散手続きを担う責任者で、野党からの不信任案は否決され、国会から続投の“お墨付き”は得た形。文科相は強気の姿勢だが、事実上の信任票を投じた議員たちは「こんなやりとりがいつまで続くのか」と心配顔だ。事務を進める文科省からは「司法の心証が気がかりだ」(幹部)との戸惑いが漏れる。

 「先の衆院選で旧統一教会関係団体と文書を交わし支援を受けた」とされる盛山氏だが、朝日新聞は6日付紙面に「盛山正仁」と署名がある教団関連団体との推薦確認書とする写真を掲載。「盛山氏本人が署名し推薦状を受け取った」との関係者証言を添え伝えた。

 文科相は同じ日に、解散命令請求対象となった宗教法人からの財産流出を防ぐ特例法に基づき、旧統一教会を「指定宗教法人」に指定するよう宗教法人審議会へ諮問した。その後の会見で署名を巡り「覚えていない」とのこれまでの回答を繰り返し、報道について「揺さぶるために出してきているのでは」と教団側のリークとの見方を示唆した。

 7日の予算委では不信任案を出した立憲民主党から杉尾秀哉氏が質問に立ち盛山文科相を追及。報道を引いて「サインしたと認めるべきだ」と迫ったが、文科相は「記憶にございません」「(写真は)私のサインには似ている」などとあいまいな答弁に終始した。

 「選挙に弱いから旧統一教会に頼ったのだ」として杉尾氏から「『態度がでかい』『握手もしない』と選挙区の支持者の評判もさんざんだ」と指摘を受けると「だからハグだってもっとしない」と反論。質問に便乗する格好で「教団幹部とハグをしていた」との過去の報道を否定した。

 「ここまで解散手続きに支障が出ていないようだが、反省もなく記憶があいまいな大臣のままでは先行きが見通せなくなる」などと辞任を迫られたが「職責を全うする」と突っぱねた。

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