西ノ島町が計1137万円を国と島根県に返還 元職員による公金詐取と、国や県に返還すべき補助金のプール

西ノ島町役場=島根県西ノ島町美田

 島根県西ノ島町の元職員による公金詐取事件と、国や県に返還すべき補助金の剰余金などをプールした問題を巡り、町が国と県に計1137万円を返還することが7日、分かった。

 内訳は、国と県への補助金や委託金の返還額が906万円(国160万円、県746万円)で、返還の延滞による加算金が231万円(国60万円、県171万円)。返還金を盛り込んだ2023年度一般会計補正予算案を8日開会の3月定例町議会に提案する。

 町が、2012~22年度の会計を調査したところ、元職員は、町内の文具店経営者に架空の購入費を町に請求させる手口で1174万円を詐取した。

 事件が発端となり、庁内の全課が年度末に使い切らなかった国や県の補助金を同じ経営者に預ける「預け金」が発覚。このうち、2240万円分が会計年度内に使ったと見せかけ、次年度以降に消耗品の納品を受けていた。また、町側が経営者から請求内容とは異なる物品を納入させる「差替え」と呼ばれる不適切な処理が約4千万円分あった。

 町によると、元職員ら加害者側は詐取した全額を弁償したという。町総務課の村尾育紀課長は「コンプライアンス研修を実施し、適正な予算と事務処理に務める」と話した。

© 山陰中央新報社