熊本県知事選挙2024の立候補者の政策比較表を公開!賛否が分かれたの渋滞対策?若者定住か高齢者福祉か?

3月7日告示・24日投票の熊本県知事選挙。立候補しているのは届け出順に宮川一彦(みやがわ・かずひこ)氏、幸山政史(こうやま・せいし)氏、毛利秀徳(もうり・ひでのり)氏、木村敬(きむら・たかし)氏の無所属4名です。選挙ドットコムでは西日本新聞社と共同制作した「熊本県知事選挙2024投票マッチング」の各候補者アンケート回答結果をもとに、熊本県知事選挙の立候補者が掲げる主な公約・政策の一覧表を作成しました。各候補者がどのような公約を掲げているのか、他の候補者と考え方がどう違うのか、投票先を選ぶ際の参考にしてみてください!

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全候補者の政策比較表!賛否が分かれたのは県政継承やインフラ整備!

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立候補者の間で賛否が分かれたのは県政の運営方針や渋滞対策などに関する設問でした。

今回の熊本県知事選は4期16年務めた蒲島郁夫知事の勇退により、新人同士の選挙となります。1問目「蒲島郁夫知事の政策を継続すべきですか」という設問には木村氏が「◎(賛成)」で、「蒲島県政の『良き流れ』をより強く大きくすることが、50年後・100年後の熊本の発展につながると考える」と言います。

一方で、毛利氏は「△(やや反対)」で、蒲島県政下で阿蘇でのメガソーラー開発や人口流出が進んだ点を問題視し、「熊本県民の皆さまの視点に立ち、一から政策の見直しを実行する」考えを示しています。

「◇(どちらともいえない)」を選んだのは2人でした。

宮川氏は災害対応を評価しましたが、交通渋滞や人口減少などの課題が残っているとして「継続すべきものもあるが、そうでないものも多々あります」としました。

幸山氏は、「くまモン」による熊本の知名度向上、熊本地震の対応などを評価しましたが、「川辺川ダムや旅行支援事業をめぐる一連の問題など、知事の問題意識に疑問を持つものや県政の不透明さを感じるものも多い」と説明します。

4問目「以前から建設計画のある道路の整備より、懸念されているTSMC周辺の渋滞対策を優先すべきですか」の設問も意見が分かれました。

この設問は、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が県中部に位置する菊陽町に進出する計画に関連するものです。今年末に本格稼働し、第2工場も周辺に建設される計画ですが、この予定地周辺では交通渋滞が発生しており、特に天草地域と県中心部のアクセスが十分に確保されていないことも長年の課題となっています。

この設問には宮川氏と幸山氏が「△(やや反対)」を選択しました。宮川氏は成長産業である半導体産業の集積んは県民の期待が大きいとしながらも「その期待を無視してTSMCを優先するのは県民への裏切り行為」との見方を示します。

幸山氏は、渋滞対策は喫緊の課題との認識を示しながら、「有明海沿岸道路や中九州横断自動車道など計画道路の整備は、半導体産業集積効果を県下全域に広げていくために必要である」と訴えています。

毛利氏は「〇(やや賛成)」を選びました。「既に工場が稼働しているため、現実問題として渋滞の解消は生活上必要である。バス優先道路の確保や車線幅を広げる。立体交差点建設なども視野に入れ交通渋滞の早期解決をする」と説明します。

木村氏は「◇(どちらともいえない)」と回答し、計画されている道路整備を推進しながらも、「TSMC周辺の渋滞対策などのためのインフラ整備に国の別枠予算を活用して取り組むことから、優劣をつけていないため」といいます。

若者の定住か、高齢者福祉か?注目される政策への考えは?

選挙ドットコムが各地方選挙で実施してきた投票マッチングでは、若年世代か高齢世代のどちらへの政策を優先すべきかを尋ねる設問が、利用者の注目を集めてきました。

今回の熊本県知事選挙投票マッチングでは、12問目の「若者定住促進策と高齢者福祉策のどちらかを優先政策として選ぶなら、若者定住促進策を進めた方がいいと思いますか」で回答が分かれました。

「◎(賛成)」としたのは毛利氏で、「若者の定住促進策と高齢者福祉を分断せず両方推進する」としながらも、「熊本県の新しい事業を行うには若者のパワーが必要である。そのため定住促進に上位を付けた」と説明しています。

「✕(反対)」を掲げたのは宮川氏です。「若年・高齢に関わらず、多くの県民に喜ばれる政策を進めたい」との考えを示しています。

「どちらとも言えない」と答えた立候補者の意見はどうでしょうか?
幸山氏は「二者択一の問題ではない」とし、「各々の分野で、緊急性や期待される効果などの観点から 具体的な施策、事業の優先順位をつけて実施していくべき」といいます。

木村氏も「県内に残って就職する若者や熊本に戻ってきて子育てする若者を増やすには、親御さんの面倒を見る助けとなる、高齢者の医療福祉環境の充実が不可欠」となるため、「「二つの政策はどちらかを優先するものではない」との考えを示しています。

設問ごとの回答を一挙紹介!投票マッチングサイトでは理由も公開

投票マッチングの設問全13問の回答を一挙に紹介します。ただし、実際の投票マッチングでは、各立候補者から回答いただいた理由の文章も結果ページでご覧いただけます。

Q1:蒲島郁夫知事の政策を継続すべきですか。

◎(賛成)=木村氏
◇(どちらともいえない)=宮川氏、幸山氏
△(やや反対)=毛利氏

Q2:既存の行政サービスの一部を縮小・廃止してでも財政健全化を進めていくべきですか。

◇(どちらともいえない)=毛利氏
△(やや反対)=宮川氏、幸山氏、木村氏

Q3:半導体関連企業の集積により、農地の工業用地への転換を進めるべきだとの意見に賛成ですか。

◇(どちらともいえない)=宮川氏、木村氏
〇(やや反対)=幸山氏
✕(反対)=毛利氏

Q4:以前から建設計画のある道路の整備より、懸念されているTSMC周辺の渋滞対策を優先すべきですか。

〇(やや賛成)=毛利氏
◇(どちらともいえない)=木村氏
△(やや反対)=宮川氏、幸山氏

Q5:県職員の管理職に占める女性の割合の目標を現在より高く設定して、積極的に登用すべきと思いますか。

◎(賛成)=幸山氏、毛利氏、木村氏
△(やや反対)=宮川氏

Q6:熊本市の慈恵病院が独自に取り組む「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、県として積極的に支援した方がいいですか。

◎(賛成)=宮川氏、幸山氏、毛利氏
◇(どちらともいえない)=木村氏

Q7:全国的に働き手が不足しています。解消策として、外国人材の受け入れを推進することに賛成しますか。

◎(賛成)=宮川氏
〇(やや賛成)=木村氏
◇(どちらともいえない)=幸山氏
✕(反対)=毛利氏

Q8:水俣病の潜在的な被害者を掘り起こすため、不知火海沿岸に居住歴のある住民の健康調査について、県として、健康調査の実施を国などに働きかけるべきだと考えますか。

◎(賛成)=宮川氏、幸山氏、毛利氏、木村氏

Q9:球磨川の支流・川辺川への流水型ダム整備計画が進んでいます。この計画に賛成しますか。

◎(賛成)=木村氏
◇(どちらともいえない)=宮川氏、幸山氏
✕(反対)=毛利氏

Q10:熊本豪雨で被災し一部運休が続くJR肥薩線について、公費を投入してでも鉄道を復旧させるべきだと考えますか。

◎(賛成)=宮川氏、幸山氏、毛利氏、木村氏

Q11:JR豊肥線から熊本空港に向かう空港アクセス鉄道について、建設計画に賛成ですか。

◎(賛成)=宮川氏、木村氏
◇(どちらともいえない)=幸山氏
✕(反対)=毛利氏

Q12:若者定住促進策と高齢者福祉策のどちらかを優先政策として選ぶなら、若者定住促進策を進めた方がいいと思いますか。

◎(賛成)=毛利氏
◇(どちらともいえない)=幸山氏、木村氏
✕(反対)=宮川氏

Q13:プロ野球の公式戦が開催できる新球場の建設を求める意見があります。県として推進していくべきですか。

◎(賛成)=宮川氏、毛利氏、木村氏
〇(やや賛成)=幸山氏

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