正社員の平均年収「523万円」だが…エリートの代名詞「銀行員」の給料額

(※写真はイメージです/PIXTA)

当然のようにお金を預けているものの、万が一銀行がなくなったら私のお金はどうなるの? 運営側と利用者側、それぞれの「お金事情」やいかに。本記事では、「銀行とお金」について解説していきます。まず紹介するのは、「銀行員のお給料」。

「エリートの代名詞」銀行員…実際の給料はいくら?

東京商工リサーチ『国内銀行69行「平均年間給与」調査』(2023年8月4日公開)によると、 国内銀行69行の2022年度の平均年間給与は617万8,000円だった。なお、中央値は613万7,000円。

国税庁のレポート『令和4年分 民間給与実態統計調査』で明かされている正規社員の平均給与は、523万円(ちなみに非正規社員の平均給与は201万円)。銀行員の給与は「日本人の平均以上」であることは間違いないが、安定・エリート・高給取りといったイメージと比べ、いくぶん落ち着いた印象を受けるかもしれない。

とはいえ、年間給与1位となったのは「あおぞら銀行」869万6,000円、2位となったのは「三井住友銀行」842万8,000円。大手の給与の高さがうかがえる。

「AIが銀行に取って代わる」といった言説もまことしやかに囁かれる銀行業。経営は大丈夫なのか? ・・・行末を不安視する声もあるが、専門家のこんな指摘も。

“「AIに仕事を奪われる」という面だけが強調されていますが、そもそも銀行業務の現場では、人手は十分に足りているのでしょうか。

最近では減少傾向にあるATMですが、昔はATMが増えて、窓口に人がいらなくなるという人もいました。しかし、銀行の支店を見ていると、みな忙しそうに働いています。コールセンターもAIによる効率化を進めていますが、今のところ電話のつながりにくさは解消されていないようです。実際には銀行の現場は慢性的な人手不足なのです。”(長谷川貴博著『AI化する銀行』幻冬舎MC・2017年12月)

「銀行員 vs AI」といった二項対立よりは、共存・活用の道を模索するのが当然の帰結といえよう。事実、銀行がAIを積極的に活用している事例もある。セキュリティ強化、業務効率化のみならず、融資への活用も進んでいるようだ。

金融機関が破綻したら「大事なお金」はどうなるのか?

銀行を「使う側」として気になるのは、銀行員の給与以上に、自分のお金。「金融機関が破綻したら、自分のお金はどうなってしまうのか?」と思ったことはあるだろうか。

わが国では、「預金保険制度」が導入されている。万が一の破綻に備え、普通預金等を全額保護する制度だ。「定期預金や利息の付く普通預金等(一般預金等)は、預金者1人当たり、1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます」(金融庁HPより)。

利用者側の任意の制度ではなく、預金保険制度の対象となっている金融機関で預金等をすれば、自動的に保険が適用される仕組みだ。

元本1,000万円まで。ちなみに厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』(2022年)によると、「1世帯当たり平均貯蓄額」は1,368万3,000円となっている。この金額に安心した方もいるだろうか。

とはいえ。平成初期には、山一證券をはじめとした金融機関の破綻が相次ぎ、経済は大混乱に陥った。「破綻→資産消滅」の恐ろしいフローチャートにはならなかったとしても、金融機関の破綻が呼び起こす二次的被害は尋常なものでない。近年ではみずほ銀行の大規模なシステム障害も記憶に新しい。「自分のお金は絶対大丈夫」とは、絶対に言えないわけだ。

「銀行に預けたくない!」と考えた場合。「有事の金」という言葉があるように、資産の組み換え先として安全なのは「金(=ゴールド)」だろう。そのほか不動産などの選択肢もあるが、景況に変動されやすい点が懸念される。

酷な話だが、「タンスに貯めておく(自分で完全に管理する)」以外の資産管理・運用は、「信用」で成り立つビジネスに過ぎない。後悔先に立たず、せめて「そんなこと知らなかった…」という事態にだけは陥らないよう、広範な情報収集が求められている。

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